私と彼の関係

〜やきもち〜 遥Side

金曜日、明日は予定通り休みになるということで恭平が私の家に来ることになっている。
だからといって一緒に帰れるわけではない私達は、別々に会社を後にした。
というよりも、明日の休みを確保するために残業をする私を外で待っている恭平。
申し訳ないと思いつつも、休みを確保するためと思いながら手を動かすことに集中することにした。
そして、何とか予定よりも早く終わらせた私は、恭平が待つカフェに早足で向かい、店の奥で冷めているであろうコーヒーを前にして小説を読んでいる恭平が座る席に歩くと、私の存在に気がついた恭平が本から視線を上げ、私に微笑みかけた。
「ごめんなさい、遅くなって。」
「ゆっくり本読めたから気にならなかったよ。」
「そう?」
「そんなに心配してくれるんだったら、今日の夜は頑張ってもらおうかな。」
「何言ってるのよ。」
恭平の言葉に頬を染めてしまう私の腰にスッと手を伸ばし引き寄せる恭平の仕草は自然で、ますます私の頬を染めさせる。
「本当に可愛いよね、遥は。
そんなんだからからかうのをやめられないよ。」
「からかうなんてひどいのね。」
「可愛い遥がいけないんだよ。」
「もう、いつも人のせいにする。」
「本当のことだから仕方がない。」
言葉遊びのように恭平との会話を続ける私。
からかわれていると思っても、それが嫌なわけじゃない。
どちらかと言えばうれしかったりする。
恭平が私に対する興味を表してくれているような気がして、そう思うのかもしれない。









カフェを出た後、2人で私の家までの道のりを帰っていき、途中スーパーに寄り買い物をを済ませる。
そして、マンションに着いた私達はエレベータに乗りこむ。
荷物は恭平が持ってくれているから私は両手が空いている状態。
申し訳ない気持ちがないわけではないけれど、やはり彼氏が荷物を持ってくれるというのはうれしいもので空いている恭平の腕に自分の腕を絡める。
途中で誰かが乗ってきたときには離れるだろうけれど、今のところそんな様子はない。
他愛もない身体の触れ合い。
それは私を落ち着かせるものであり、心をざわざわさせるものをくれる。
こういう時に改めて私は恭平のことが好きなのだと自覚する。
だから、恭平と腕を組んだり手を握るのは好きだけれど、そういうことを口にしたことはない。
でも、恭平のことだから気づいているような気もする。
それならそれでも構わない、でも、恭平も同じ気持ちになってくれていたらいいのにとは思う。
恭平の肩に自分の頭を乗せながらそんなことを考えていると、クスッと小さく笑う恭平の声が聞こえてきた。
「何がおかしいの?」
「遥が可愛すぎるからだよ。
家に着くまであと少しなのに手を出せないのが辛すぎて堪らな過ぎて、そんな自分がおかしかったんだよ。」
「・・・・じゃあ、家に着いたら、ね。」
「今日は積極的だね、うれしいけど。」
「たまにはそういう日もあるわ。」
「いつもでもいいのに。」
「たまにだからいいんじゃない?」
「そういう取り方もあるか。」
「そうそう。」
他愛もないおしゃべり、恭平の肩に頭をのせたまま話を続け次第に部屋へと近づく。
そして、部屋へと入り、恭平の腕からするりと離れる。
けれど、荷物を床に置いた恭平の腕は私を逃がすまいと行動を始める。
恭平の胸の中に納められる身体、そのまま身を預ける形になる私。
「このまま離れるのは人のことを煽っといてずるいんじゃない?」
「でも、袋の中の物を直さなくちゃ。」
「遥を味わうまでの時間はあるよ、遥だって息が熱くなりだしてるのにこのまま続きをしなくて辛くない?」
クスッと笑いながら問いかけてくるのは卑怯だ。
分かっているくせにわざと聞いているのだから。
だから、身体を自分から密着させてしまうのは仕方がないこと、そして、そんな私の様子に楽しそうな表情を見せながら唇を寄せてくる恭平は、待ってましたと言わんばかりだ。
唇を甘噛みして、舌を絡ませる動きが私の身体を熱くする。
背中に絡ませる腕、それだけでキスを深いものに変えていく。
唇が離れ、お互いの熱くなった息が重なりあい、恭平の手は私の胸へと触れ、動きを開始する。
小さく漏れる声、感じていることを伝えている。
私の声を合図にしたように動きを変えていく恭平の手は、空いている手を別の動きをさせるよう命令をしたようで、私の首筋に顔を埋めながら秘部へと下着をずらし侵入してきた。
突起に優しく触れられただけで溢れだそうと待ち構えている蜜が恭平の指を少しずつ濡らしだす。
「はぁ、っああっ」
触れるだけの動き、それだけなのに反応を始める私の身体はもっと感じさせてほしいと浅ましく訴える。
身体をすりよせ意思表示をしているけれど、変わらず恭平の指は突起に触れるだけで奥への侵入を始めない。
このまま奥に進めてほしいのに、そんな私の想いに恭平が気づいていないはずがない。
「意地悪、してる・・。」
「もっと遥に感じてほしいだけだよ。
ほら、さっきより指を濡らす蜜が増えてきた。
もっと、もっと感じて、そしたら遥が望むことをしてあげる。」
「感じてる、のに・・・・、ね?気づいてるんでしょ?」
「さあ、俺には分からないなぁ。」
素知らぬふりをする恭平に、熱くなっている身体は瞳を潤ませる。
「いいね、その濡れた目すごく色っぽい。
遥の目、好きだよ。」
耳元でいつもより声をかすれさせながらささやく言葉にますます身体が熱くなってきて辛くなってきた。
もう私の口から出てくるのは時間の問題だと思う言葉は、いつも恭平が言わせている言葉。
言いたくないのに、でも、言ってしまいたい恭平を求める欲望のままを伝える言葉。
言ってしまおうか?
そうすればじれている動きが変わるのはもう知っている。
そんなことを思いながら口を開きかけた瞬間鳴り出した携帯電話。
私のバックから鳴り出す音楽が早く取れと急かしているようにも思える。
「取るの?」
「だって、家族からだし。」
携帯から流れる音楽は、家族からの電話だということを知らせている。
滅多にかかってこない家族の電話には出ないといけないような気になる。
私からも余りかけることがない電話、連絡がないのは元気な証拠だからと電話を頻繁にかけることをしていない。
だから、この電話はとらないと申し訳ないようなきになってしまう。
「しょうがないね。」
小さくため息をついた恭平はそう言って私のバッグを取り、携帯を出しやすいようにしてくれる。
見つけた携帯を手に取り、通話ボタンを押すと聞こえてくる声は弟のものだった。
『もしもし?』
久しぶりに聞く弟の声、年が離れているせいかいまだに可愛くて仕方がない。
しばらく会っていないけれど、弟も姉ちゃんと私に甘えてくれることもあって私達の姉弟仲はいいものだと思う。
いつもと変わらない声で明るく話し出す弟の声に自然と顔もほころぶ。
『え?こっちに来る?』
話を始めてしばらくすると、受験に向けて下見をしたいから泊りに来たいとの申し出。
久しぶりに弟に会えることに笑顔も強くなる。
『来週の土日に行こうと思ってるんだけど姉ちゃんその日予定とかない?
出来たら案内とか頼みたいんだけど。』
『大丈夫よ、今のところ予定もないし。』
『良かった。
じゃ、行った時姉ちゃんの手作り料理とお菓子久しぶりに食べたい、いい?』
『いいに決まってるじゃない。
おいしいの作ってあげるわ。』

相変わらず可愛いじゃないの。
楽しみにしてくれるんだったらおいしいの作ってあげなくちゃ。

昔から変わらない弟の様子に嬉しい気持ちが強くなる。
「っあ!」
突然襲ってきたものに驚き恭平の顔を見る。
向き合わせにいる状態で見上げると、怒っているように見える表情。
なぜそんな表情になっているのか分からないまま突然埋め込まれてしまった指が私の中で動き出す。
『ねえちゃん、どうかした?』
突然驚いた声を出した私に、弟が不思議そうな声で聞いてくる。
でも、その声に答えることが出来ない。
指が私の感じる場所を探るだけじゃない、突起にまで触れてくるから濡れた声を堪えることに集中しないと口から洩れてしまいそう。
こんな声、弟に聞かせるわけにはいかないから我慢するしかない。
恭平の動きを止めたいけれど、両手は塞がっていて出来ない。
携帯を持つ手と口元にある手、どちらも今の状態を変化させることが出来ない。
だから、視線で訴えてみるけれど、恭平はそんな私の視線を無視して動きを止めてくれない。
わざとそうしているのが分かる恭平の表情、意地悪さを混じらせている。
「はぁん・・・、んんっ!」
『ねえちゃん、調子悪いの?』
心配した声へと変わる弟の声、もうこれ以上通話を続けるのは無理だと思い、
『そう、なの・・・、じゃ・・・あ、来週・・・・ね。』
そう言って通話を弟の返事を待つことなく切った。
「恭平!っ・・・あうっ」
「嬉しそうな顔をする遥が悪い。」
「え?」
「そんな顔は俺にだけ見せたらいいんだよ。」
恭平の声は感情を押し殺したように聞こえるけれど、私の首すじに埋めた顔は表情を見ることを邪魔をする。
でも、見える場所、両耳がほのかに赤く染まっていることに気づく。
「もしかして、やきもち?」
「・・・・そうだよ。」
「弟なのに?」
「それでも、俺だけ知っていればいい顔をさせるのが許せない。
遥、俺をこんな気持ちにさせた責任をとってもらわないといけないよ。」
そう言って恭平は自分自身を私の身体の中に埋め込む。
「あああっ!」
奥深くに入り込むために上げられる私の片足、突き上げられることで力が抜けて手から抜け落ちた携帯が音をたてる。
「んぁ、んんっ・・・・っああっ」
揺さぶられる身体、衝撃を受けとめるために恭平に抱きつきながら身体を痺れさせるほどの快感が私を襲う。
次第に頭を真っ白にさせるほどの快感にどちらからともなく唇を合わせ貪りあう。
そして、やってくる高み、身体の中で弾ける快感に身体を強ばらせた後弛緩させ、恭平に身体を預け荒い息をお互いに吐く。
ゆっくりと整う呼吸、高まった身体の熱はまだ収まりそうにはない。
まさか恭平がやきもちなんて焼いているとは思っていなかっただけに驚いてしまったけど、むず痒い気持ちもある。
恭平の可愛い一面を見た気がして。
クスクス洩れる笑い声に怪訝そうにする恭平。
「なに?」
「可愛いところもあるんだと思って。
そんなところも好きだけど。」
「・・・・嬉しいこと言ってくれる。」
再び合わせられた唇は、お互いの熱を高める準備。
結局夕飯を口にするのはまだまだ先になりそうだけれど、今の私達にはお互いの熱を感じ合うことの方が先決。


後日、弟を交えて色々あることは、今は知らなくてもいいこと。


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