私と彼の関係

クリスマスの過ごし方〜恭平Side〜

「折角だから主任も行きましょうよ。」
「私はいいわよ、みんなで楽しんできて。」



部署内で行われている遥と同僚の会話。
その会話はクリスマスイブに行おうとしている飲み会の話だ。
クリスマスイブは遥と一緒に過ごす予定にしているけれど、遥のことだから飲み会の話は断り切れないだろう。
思った通り遥は行くことを決定したようだ。
今の俺は遥の部下なだけで、彼氏であることを強調することができる状況ではないことは分かっているけれど、遥に行くなと言いたい気持ちが心の中を占める。
だが、遥の気持ちを考えれば言えるわけがない。
きっと遥は俺に対して今申し訳ない気持ちでいるだろう。
そんな遥の気持ちが分かっている俺は、遥に行くなという一言が言えるわけがない。
遥にも付き合いはあるのだから俺の意見だけを主張するつもりはないが、1つだけ気になっていることがある。
それは、遥の同期、羽柴 尊の存在。
この男は明らかに遥を狙っている。
遥は気づいていないが。
分かりやすい態度で遥に接しているのに気づかれないというのも俺から見たら可笑しいが、だからといって見過ごすわけにはいかない。
同期だからといって当然のように親しげに遥に接する羽柴、今回必死に遥を誘っているのには理由があると俺は思っている。
多分、スキあらば遥に手を出す気なのだろう。

させないけどな、そんなこと。












クリスマスイブ当日、俺は義理で誘いにきた同僚に今日の飲み会に参加することを伝えている。
俺が行くことを伝えると、何とも言えない表情を見せる同僚の気持ちは分かっている。
別に来なくてもいいのに、と思っているということを。
そんな同僚の態度など俺は気にもせず、今日は参加するために店の近くを歩いている。
すると、遥が目の前を歩いているのに気づく。
遥には俺が今日飲み会に行くことは言っていない。
今日俺と会う予定だったのに飲み会に参加する遥に対するお仕置きのためだ。
遥は俺に対して申し訳なさそうな表情を見せながら飲み会に参加することになったと伝える遥が愛しくて意地悪をしてしまった。
遥の笑顔を見るのも好きだが、泣き顔も可愛い。
と言うよりも、遥が見せるすべての表情が俺の気持ちを揺さぶる。
だから、遥には責任をとってもらわないといけない。
俺が今まで感じたこともなかった感情を与えてくれる責任を。
遥は俺が近づいていることに気づく様子がないので、ゆっくりと後ろをついていく。
しばらくすると、今日行く店の近くで立ち止まった遥は携帯をバッグから取り出し、どこかに電話をかけ始めた。
すると、俺の携帯が鳴り出し、遥が俺に電話をかけていたことを知らせる。
「どうしたの、今出かけてるんじゃなかった遥。」
そんな意地悪な言葉を遥に投げかける。
「そう、だけど。
顔を出してすぐ抜けてくるから。」
「遥にそれができれば、ね。」
「出来るわよ、だから家で待ってて。」
俺は電話で遥と話しながら遥のそばに近づくと、泣きだしそうな表情になっていることに気づく。

いじめすぎたかな。

そう思った俺は、
「そんな泣きそうな顔してたら抱きしめたくなるからやめといた方がいいよ。」
「え?」
「横向いて遥。」
俺は遥に笑いかけながら隣に立つ。
遥は思ってもみなかった俺の登場に驚き顔だ。
「ど、うし、て。」
「遥が参加するって言うから俺も参加することにしたんだよ、驚いた?」
携帯越しではなく直接話しだす俺に驚きの表情のままの遥。

驚き過ぎだろ。
でも、それも仕方がないか、俺も参加するとは言ってなかったからな。
可愛過ぎるよ遥。

遥を抱きしめたい衝動が俺の中で渦巻きだしていて、そっと遥に触れようとすると邪魔がはいる。
「やっぱり来たんだな白金。」
「羽柴。」
「何だお前達タイミングよく会ったんだな。
丁度良かった、一緒に行くか。」

何でこのタイミングで来るんだか。
しかも、一緒に行くなんて言ってもないのに仕切り出すし。
やっぱり邪魔だな、この人は。

心の中で悪態をつきながらも、あえてここでもめ事を起こす気にもなれず大人しい後輩の振りをして遥と共に店に向かった。











店に着くと、予想をしていたより人数が集まっていた。
どれだけの部署の人間に声をかけたのかと呆れてしまわないでもないが、集まっているものは仕方がないと思い空いている席に座る。
本当は遥の隣に座りたいところだが、そういうわけにもいかない俺は、二列に並んだ机の遥が視界に入る場所を陣取った。
嫌なことに遥の隣には羽柴が座っていて、思わず舌打ちをしてしまう。

こんな離れた席で遥を見つめることしか出来ない状況は、遥を好きになった頃に似ているな。
気づいたら好きになっていて目が離せなかった。
遥はそんな俺の様子に気づくことはなかったな、今日のように。
今では近くで遥に触れることができるようになったはずなのに、今日のような日はそれも叶わない。
俺だけの遥、誰にも触れさせたくないし、見せたくない。
独占欲の強さに可笑しくなる。





人が集まり出し飲み会が始まると、俺の隣に座った女が俺に話しかけてくる。
いつもだったら俺に話しかけてくる女はいないはずなのに、相手はよく見ると、違う部署の女で遊んでいると言われている奴だ。
きっと、嗅覚が発達しているんだろう、俺が隠している本当の姿を感じているのかもしれない。

うっとおしい。

女に対する俺の印象はそれだけだ。
香水の匂いと混じった化粧の匂いが鼻に衝く。
自分のことをきれいでモテルと勘違いしているのがよく分かる。
「グラス空いちゃったね、次何頼む?私注文してくるよ。」
「別にビールあるからいい。」
「えー、他にもいろいろあるよ?
日本酒とか飲まないの?」
「飲まない。」
「おいしいのあるみたいだから飲んでみなよ、私持ってくるし。」
何度も冷たく断っても勝手に話を進める女に辟易する。

遥が来ることになったのが原因だよな。
これはお仕置きものだよ、遥。

自分の中の不快指数を上げ、遥にとっては災難としか言えないことを思いながら視線を遥に向けると、ふらつきながら立ち上がってトイレに向かっているようだった。
ふらつくほど飲むことのない遥のことが心配になった俺だったが、遥の後を追いだした羽柴の存在に腰を浮かせる。
すると、うっとおしく俺に話しかけてきている女が、
「どこにいくの〜?
もしかして帰ろうとしてる?
じゃ、私も一緒しちゃおうかなぁ。」
俺にしな垂れながら見当違いのことを話しだす。
これ以上ここにいるのは不愉快だ。
「作り過ぎて異臭を放っている奴とこれ以上いるのはごめんだ。
遊び相手が欲しいんだったら他を当たってくれ。」
「なっ!異臭って失礼なこと言わないでよ!!
何なのよその態度っ、1人でいるのが可哀想と思って話しかけてやってたのに!」
「それが余計なお世話だし、自意識過剰。
誰もそんな事頼んでないから。」
顔を真っ赤にさせながら叫び出す女に止めの言葉を残し、遥達の後を追った。

これで俺のそばに寄ろうなんて気にはならないだろう。
それよりも、羽柴の行動が気になるな。
この展開から行くと・・・・。
やっぱりな。

遥達の後を追った俺は、予想通りの展開が行われている現場を目にする。
「白金、俺達付き合わないか?」
「え?」
「俺と付き合ってほしいんだけど。」
「それって、飲み会とかじゃなくてよね?」
「お前わざとはぐらかしてるのか?
この状況での付き合いとなれば男と女の関係のことを言ってるに決まってるだろ。
今彼氏いないんだよな?
それだったら俺と付き合ってみないか、こんな所でいうのもなんだけどずっと好きだったんだよ白金のこと。」
「知らなかった。」
「そうだろうな、まったく気づいてる様子もなかったからそうだと思ってたよ。
でも、俺はずっと白金のことを見てきた。
だから、今日一緒に飲みにくるのを逃すわけにはいかなかったんだよ。
とりあえず俺の気持ちは言ったわけだけど、どうだ?」
「どうって言われても、羽柴のことそんな風に思ったことないし。
ごめん。」
「でも、付き合っていけば変わるかもしれないだろ?
今から同期の俺だけじゃなくもっと知ってもらうために2人で抜けよう。
ほら、荷物も持ってきたし。」
「ちよっと勝手に話を進めないで。
私は羽柴と付き合えない。
急にそんなこと言われても困るし。」
「それだけの理由なら断る理由として弱いよ白金。
ずっと見てきたんだお前のこと。
だから、この機会を逃す気はないんだよ俺は。」
「主任の具合でも悪いんですか?」
俺はわざと2人に話しかける。
羽柴は予想通りの返事を返してくる。
「酔ったみたいだから先に送ってくるよ、みんなには言っておいてくれ。」
「そうですか、分かりました。」
そう答える俺に遥は視線を向ける。
視線で引きとめてと訴えているのは分かっている。
だが、ここではまだ引き留められない。
遥は羽柴に連れられながらも俺を見つめたままだ。

遥、そんなに待たせないよ。

俺は2人が店から出たことを確認した後、後を追った。






「人の彼女をどこに連れて行く気?」
遥の肩を抱いたまま連れ去ろうとする羽柴の腕から遥を、手を差し伸べて腕の中に閉じ込める。
羽柴は俺達の行動を見て、大きな声で叫び出す。
その声には焦りが混じっているのを感じたが、すでに俺の腕の中に遥が戻ってきたことに満足している俺は、羽柴の存在が邪魔なだけだ。
「何だはこっちのセリフですよ羽柴さん。
勝手に人の彼女を連れ出されたら困りますよ。
そういうことで俺達は帰るんで後はよろしく。」
俺達は羽柴に背を向け立ち去ろうとすると、諦めることなく俺の肩に手を伸ばし引き留める。

うっとうしい奴だな。
俺が知らないと思ってるのか?

俺は遥から手を離し、羽柴の耳元で囁き動きを止めさせる。

「受付の女の子に手を出してるくせに遥にまで手をだそうだなんて甘いんだよ。
他にも手を出している女がいるようだからいつでもばらすことは出来るんだから大人しくした方がいいんじゃない?」

耳元での囁きに羽柴の顔が青ざめてくるのが分かる。
羽柴の表情にフッと笑いが込み上げながらも、遥のそばに戻る時にはそんな表情を隠す。
遥は俺達の様子を不思議そうな顔で見ていたけれど、囁いた内容は同期としていい奴と思っている遥に嫌な思いをさせる必要はないと思い、笑顔をみせ誤魔化した。
そして俺達は、立ちつくしたままになっている羽柴を残し、タクシーに乗り込んだ。
タクシーの中ではわざと遥とは話さずに過ごした。
そうすることでこれから行われるお仕置きの効果もあるはずだから。
本当は2人で過ごすはずだったクリスマスイブ、それを取り戻すためには大切な経過。
俺の家に着き、部屋に入るなり、
「遥、お仕置きが必要だと思わないか?
俺がいるのに他の男についていく悪い彼女には。」
わざと怒っている口調で話しかけ、寝室に連れて行った後遥の洋服を脱がせていく。
「ちょっと待って。」
俺の動きを止めようとする遥の手を阻止しながら、遥にこれ以上ストップをかけられないよう唇を塞ぐ。
重なり合った唇は、次第に熱を帯びだし抵抗していた遥の手も俺の洋服を掴んでくる。
「んっふぁ、あっ」
熱い吐息を漏らしだす遥が可愛くて、俺の頬も緩み出す。
洋服を脱がせベッドの上に倒れこませた遥の肌が、白いシーツに映える。
ほんのりと赤く色づき出す肌、俺を誘惑してやまない。
肌が白い遥の色づく様子は俺しか知らないこと、それがなによりも俺を興奮させる。
「ほら、遥の白い肌が赤く色づいてきた。
それに、俺が触れる場所がピクピク動いてるよ。」
遥の秘部に触れながら意地悪く言いながらいやらしく指を動かすと、遥の蜜が俺の指を濡らしだす。
蜜の量が増えることで遥が感じているのが分かる。
同時に喘ぎ声も色っぽく俺を誘う。

これ以上俺を夢中にさせてどうする気?

そんなことを思いながらも遥に夢中になっていく自分は嫌じゃない。
どうせなら溺れるところまで溺れてしまいたい。
いっそのこと俺と遥しかいない世界になってしまえばいいと思うくらいに遥に夢中になっている。




「はずして、このままじゃ・・・っ、恭平に・・・あああっ!」
洋服で腕を絡めとられている遥はもどかしげに身体をよじる。
俺としても遥をいつものように抱きしめられないことに我慢が出来なくなってきていて、
「別に外さなくても抱きしめることはできるよ。
ほら、こうやって遥が俺に乗って首に腕をかければね。
それに、こうすると深くまで遥を味わえる。」
「んんっ、ふかぁ・・・ああああっ」
遥の腕を俺の首にかけさせ座った状態で肌を密着させる。
下から遥の中に埋め込まれた俺の分身を深く埋め込ませ、動きを速めることで遥の感じる場所を刺激する。
俺を離したくないと締め付けを強くする内部に息を詰めてしまいながらも、遥との快感を共有する心地よさ。
それは、何事にも変えられない至福の時間。
お仕置きという名の下で遥を存分に愛することが出来ることに喜びを感じながら2人で高みを目指す。
お互い荒い息を吐きながら果てながらも、何度となく求めあう。
飽きることのない時間、いつまでもこの温もりを自分のものにしたくて・・・。



遥との内緒の関係もそろそろ周りに牽制をかけるためにも考えないといけない。
もう遥は俺のものだと主張しないと邪魔な虫を払いのけられそうにないからな。
さあ、どうしていこうか。

そんなことを考えながら、やっと過ごすことが出来た2人だけのクリスマスを満喫する俺だった。
Copyright (c) 2008 machi All rights reserved.

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