私と彼の関係

〜クリスマスの過ごし方〜 遥Side

「折角だから主任も行きましょうよ!」
「私はいいわよ、みんなで楽しんできて。」
「でも、主任彼氏いないって言ってたじゃないですか。
だから、クリスマス恋人がいない者同士集まろうという企画に乗ってくださいよ。」
「私が行ってもみんな楽しめないでょう?」
「そんなことないですよ、ね?行きましょうよ〜。」
「誘ってくれてうれしいんだけど、止めとくわ。」
「え〜何でですか?
あっ、もしかして本当は彼氏がいて一緒に過ごすんでしょ?
それならそうと言ってくださいよぉ。」
「そうじゃないわよ。」
「じゃ行けますよね。
そういうことで参加にしときますから。」
「ちょっと、参加するなんて言ってないわよ私。」
休憩時間、クリスマスが近いせいか少し浮かれ気分な空気が流れている職場で後輩からの誘いに困り果てている私。
本当は恭平と過ごす予定になっているクリスマスイブ。
だからこの誘いに乗るわけにはいかないけれど、素直に恭平と過ごすからいけないと断れないのがみんなに内緒にしている関係だから辛いところ。
折角のクリスマスを恭平と過ごせないのは悲しいものがある。
だから上手に断ろうと思っているのになかなか思うようにいかない。
「お互い恋人いないんだから寂しいクリスマス過ごすよりはみんなと過ごす方が楽しいだろ?」
断る努力を続ける私を邪魔する発言をするのは同期の羽柴 尊(はしば たける)だ。
「ちょっと、違う部署の人間が何普通に入ってきて会話にまで割り込まないで。」
「俺も誘われたんだよ、その飲み会に。
だから同期のよしみとして誘いに来たんじだよ。
どうせ家から出るのがめんどくさいなんて考えて断ってるだけなんだろ?
仕方ない、寂しい白金のために俺が奢ってやるから一緒に行くぞ。」
「良かったですね主任。
そういうことで参加にしときますね。」
じゃ、と言って私が行かないと言おうとしているのを聞く気がないかのようにすぐにそばを離れる後輩。
「ちょっとっ。」
「寂しい者同士同で過ごすクリスマスも楽しいもんだぞ。
じゃ、またその時に。」
「何言ってるのよ、私は行かないわよ。」
「そう言いながら性格上来ることになるんだよな白金は。」
そう言って手を振りながら立ち去る羽柴を睨む私だけど、確かに羽柴が言うようにこのままいけば私の性格上行ってしまうことになってしまう。

とにかく早く断らないと。

そう思いながら終わってしまった昼休み。
しかも、聞き入れられないまま過ぎてしまった日々。
そして気がつけば飲み会当日のクリスマスイブを迎えてしまっていた。






「で、行くわけだ遥は。」
「顔を出してすぐ抜けてくるから。」
クリスマスイブ当日、恭平と会うはずだった日に私は携帯で話をしている。

恭平の声は怒っているというよりも呆れているように聞こえるのは私の気のせいだろうか・・。

「遥にそれができれば、ね。」
「出来るわよ、だから家で待ってて。」

本当、こんな必死になって恭平に言い訳じみたことを言うくらいならはじめからきちんと断れば良かったのにそれをきちんとやれていなかった自分が情けない。

「そんな泣きそうな顔してたら抱きしめたくなるからやめといた方がいいよ。」
「え?」
「横向いて遥。」
恭平の言葉にすぐ横を向くと何故かそこには恭平が立っていて、私のことをじっと見つめていた。
「ど、うし、て。」
「遥が参加するって言うから俺も参加することにしたんだよ、驚いた?」
携帯越しではなく恭平に話しかける私は、驚き過ぎて言葉を詰まらせる。
どこかからかう様な視線を隠れた前髪の奥から見せる隣に立つ恭平に再び話しかけようとすると、
「やっぱり来たんだな白金。」
と、偶然といってもいいのか羽柴が近づきながら声をかけてきた。
「羽柴。」
「何だお前達タイミングよく会ったんだな。
丁度良かった、一緒に行くか。」
何故かいきなり現れた羽柴がこの場を仕切り出し、恭平との会話が途中になったままになっていることを気にしながらも店までの道のりを3人で歩き始めていた。
店に着くと、思っていたよりも人数が多いことに驚く。

それだけ1人者が多いということなのかもしれないけれど。

気がつけば、自然と恭平とは席が離れてしまい、私の隣には羽柴が座っていた。





飲み始めてしばらくするとみんな酔いだし、無礼講になってきている。
そんな中、私は珍しく酔ってしまっていた。
それもすべて羽柴のせいだと言ってもいい。
気がつけば乗せられて飲んでしまったビールや日本酒、日頃そんなに飲む方ではない私は飲み出すと酔いが早い。
「ほら、まだ飲みが足りないんじゃないか白金。
こういう時は飲んだ方が楽しめるってもんだぞ。」
そう言ってまた私のグラスにビールを注ぎ足す羽柴。
そんな様子を見ながら注がれたビールを飲み干してしまった私は、恭平がどうしているのか気になって仕方がなかった。
今日は同じ部署の人間以外も来ている。
そんな中に恭平がいつもの恰好で来ているといっても心配になってしまう。
やっと見つけた恭平の隣には、違う部署の女の子が座っていて、何だか楽しそうに話している姿が視界に入ってしまった。
「ちょっと。」
そう言って私は少しふらつきながら立ち上がりその場を離れる。
そして、お手洗いに向かった私は、手洗い場にある鏡を見ながら酔いで紅潮している頬に両手を添えると洗った手がほんのり冷たくて、酔っている頭が働きだすような気がしてくる。
頬の熱が引いてくると同時に、恭平が違う部署の女性と飲んでいる姿が思い出され自然と目に溢れてくるものを感じた。

本当に馬鹿だな私。
始めから断っておけば恭平が他の女性と楽しそうに飲んでいる姿を見ることなんてなかったのに。
そう、本当なら恭平と2人だけで過ごしていたはずなのに・・・。

頭の中で自分の行動に反省しながら涙を堪えた後、自分の姿を映し出す鏡で涙が分からないか確認した後、そんな自分の姿から目を逸らしトイレからでた私を待っている人物に引き留められてしまった。
「羽柴。」
「すまん、飲ませすぎたな。
もしかして吐いたのか?」
心配そうに私に訪ねてくる羽柴に、
「大丈夫よ。
確かに今日は飲み過ぎたわね私。」
と、いつもの自分を取り戻すように返事をした。
「ありがとう心配してくれて。
大丈夫だから戻りましょう。」
そう言いながら戻り帰る支度を始めようと思っている私は、そんな自分の気持ちがばれないよう誤魔化すように羽柴の肩をポンポンと叩き歩こうとすると、足元がふらついてしまったけれど、何とか態勢を整えようとしている所を羽柴が支えた。
かと思うと、私の肩を抱いたまま離そうとはしなくて、
「支えてくれてありがとう、もう大丈夫だから離してくれていいわよ。」
お礼も込めて笑顔で言う私の前には、真剣な表情を見せる羽柴。
酔っている私をそんなに気遣わせてしまったのかと思っていたけれど、羽柴の口から出たのは、私が考えていたこととはかけ離れていて予想もしていない言葉だった。
「白金、俺達付き合わないか?」
「え?」
「俺と付き合ってほしいんだけど。」
「それって、飲み会とかじゃなくてよね?」
「お前わざとはぐらかしてるのか?
この状況での付き合いとなれば男と女の関係のことを言ってるに決まってるだろ。
今彼氏いないんだよな?
それだったら俺と付き合ってみないか、こんな所でいうのもなんだけどずっと好きだったんだよ白金のこと。」
「知らなかった。」
「そうだろうな、まったく気づいてる様子もなかったからそうだと思ってたよ。
でも、俺はずっと白金のことを見てきた。
だから、今日一緒に飲みにくるのを逃すわけにはいかなかったんだよ。
とりあえず俺の気持ちは言ったわけだけど、どうだ?」
「どうって言われても、羽柴のことそんな風に思ったことないし。
ごめん。」
「でも、付き合っていけば変わるかもしれないだろ?
今から同期の俺だけじゃなくもっと知ってもらうために2人で抜けよう。
ほら、荷物も持ってきたし。」
「ちよっと勝手に話を進めないで。
私は羽柴と付き合えない。
急にそんなこと言われても困るし。」
「それだけの理由なら断る理由として弱いよ白金。
ずっと見てきたんだお前のこと。
だから、この機会を逃す気はないんだよ俺は。」
断っているはずなのに、一向に引こうとはしない羽柴にどうしたらいいのか頭を悩ませてしまう。
本当なら付き合っている人がいるのだと言ってしまえばいいだけの話なのに、今まで会社の人間に恭平のことを内緒にしてきていたからなかなか言い出せない。
そうしている内に気がつけば酔っているせいもあるのか簡単に羽柴に肩を抱かれた状態のまま出口に近づいていてますます気持ちを焦らせてしまう。
「主任の具合でも悪いんですか?」
焦るばかりで行動に移せないでいた私と羽柴にかかる声、それは恭平の声だった。
「酔ったみたいだから先に送ってくるよ、みんなには言っておいてくれ。」
「そうですか、分かりました。」
羽柴の言葉に抑揚もなく普通のことのように答える恭平に私は、頭を強く叩かれたようにショックを受けてしまう。

引き留めてくれないの?
何で恭平?
やっぱり若い子の方がいいって思ったの?
だから引き留めないの?

頭の中に疑問符を並べながら恭平の行動に動揺している内に私は羽柴から外に連れ出されてしまっていた。
「とりあえず、場所変えてゆっくり話そうか。」
羽柴の言葉にも恭平のことで頭が一杯になっていた私は、返事をすることもできない。
そんな私のことに気づいていない羽柴が歩きだそうとすると、再び私達を引き留める声。
「人の彼女をどこに連れて行く気?」
さっきは私達を送り出した恭平が、同じように外に出てきていて引き留める。
「頭山何言ってるんだお前、酔ってんのか?」
「酔ってませんよ、本当のことを言ってるだけですから。
ほら遥、いつまでそこにいる気?こっちにおいで。」
そう言って私に手を差し出す恭平。
私は差し出された恭平の手を取り、胸の中に抱き寄せられてしまい、そんな私達の様子を羽柴は呆然と見ていた後、
「何なんだよこれはっ。」
と、叫び出す。
「何だはこっちのセリフですよ羽柴さん。
勝手に人の彼女を連れ出されたら困りますよ。
そういうことで俺達は帰るんで後はよろしく。」
「は?意味が分からないままだぞ俺は。」
突然のことに状況を把握できていない羽柴が騒ぎだしている中、私を連れた恭平は羽柴に近づき、耳元で何か囁くと急に静かになってしまい、そんな羽柴を残し私達は夜の街を歩きだしていた。













その後すぐにタクシーに乗せられ恭平の家に連れて来れられる間、一言も口を聞いてもらえないまま部屋に到着し、
「遥、お仕置きが必要だと思わないか?
俺がいるのに他の男についていく悪い彼女には。」
そう言って私を寝室に連れてった後洋服を脱がせていく。
そんな恭平の動きに、
「ちょっと待って。」
とストップをかける私だったけれど、そんな言葉を聞いてくれるはずもなく、
「却下だよ、色々言う口は塞いでおこうか。」
「んっ」
私を見下ろしながら口角を上げニッと笑いながら私の唇を奪ってしまう。
恭平のキスは歯列を探り、舌を絡める動きで私の酔った頭をさらにボーっとさせて、そんな状態の私を器用に洋服を脱がせ続け、頭元に持ち上げられた両腕に洋服が残される以外は、すべて生まれたままの姿にされてしまった。
残された手首にまとめられたようになっている洋服は、私の腕の動きを奪い自由な恭平の手は私の肌を自由にまさぐり出す。
「んんっ・・・んふぁ」
「ほら、遥の白い肌が赤く色づいてきた。
それに、俺が触れる場所がピクピク動いてるよ。」
「そんなことっ、ない」
「嘘はいけないな遥。
俺に触れられるのが好きだろ?
ほら、ここもうれしいって俺を誘ってる。」
「っああぁ・・・んっ・・・・はぁん」
「そんなに締め付けたら遥のいい所に当たらないよ?
でも、これだけ愛液が溢れていたら別にいいかな。」
「いゃぁ・・・、いつもより、意地悪いっ」
「そう?
意地悪なんてしてないよ、ただちょっとお仕置きしてるだけ。
俺が何とも思わないと思った?羽柴さんと遥が楽しそうにしている姿を見て。」
「っん、はぁ・・・・、恭平だって・・・楽しそうに・・してた・・くせっ、に」
「俺?
俺はずっと遥を見てたよ。」
「隣にいた、んんっ・・・、人と楽しそうに話してたくせにっ」
「やきもち?可愛いな遥は。」
「はぁぁあっ!」
「俺も同じ気持ちだったよ、俺以外の男と楽しそうにしている遥を見るのは。
だから、俺にそんな気持ちにさせた遥をそう簡単には解放してあげないから覚悟しておくんだな。」
恭平は私の中に熱くなった自分の物を侵入させながら、そんな怖いことを口にしていたけれど、すでに恭平に翻弄されていた私の身体と頭は恭平を強く求めていて揺さぶられている身体をついて行かせることに精一杯になる。
でも、私の身体は深いところで恭平に感じさせてほしくて腰をくねらせる。
そんな風に思う自分を恭平と付き合うまでいることに気付きもしなかった。
だからといってそんな自分が嫌いなわけではなく、むしろ、好きになっている。
恭平から求められる時間、その時間はとても愛しい時間。
「もっと、・・・恭平っ」
自由にならない自分の手がもどかしく身体をよじらせてしまう。
早くこの手をほどいてほしくて、恭平を抱きしめたくて、
「はずして、このままじゃ・・・っ、恭平に・・・あああっ!」
「別に外さなくても抱きしめることはできるよ。
ほら、こうやって遥が俺に乗って首に腕をかければね。
それに、こうすると深くまで遥を味わえる。」
「んんっ、ふかぁ・・・ああああっ」
「っく、そんなに締め付けるなよ、気持ちいいって身体で知れせてくれるんだな。」
「だって、・・・・気持ち、いいっ・・か・・・ら」
「俺も、気持ちよすぎて、おかしくなりそう・・・」
「あああっ!」
恭平に強く抱きついたまま律動に身を任せ奥深くまで探られ快感の渦の中にいる私は、恭平と共に荒い息を重ねあいながらいつまでもお互いを求め続けた。




いつも漂漂としている恭平が初めてみせたやきもち。
そのことがうれしくもあり、てれくさくもある。
今まで知らなかった私の中にあった気持ち。
そのことを知ることが出来た恭平と初めて過ごすクリスマス。
Copyright (c) 2007 machi All rights reserved.

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