私と彼の関係〜賭けの代償〜

今日もいつもと変わらない忙しい業務が進む中、ボサボサ頭に長い前髪、太い黒ぶち眼鏡をかけていて野暮ったい印象を受け、一目全く仕事が出来ないようにも見える部下の頭山 恭平(とうやま きょうへい)から私、白金 遥(しろがね はるか)に渡す書類に1枚のメモ紙が挟まっていた。
私は何事もなかったような表情でメモ紙つきの書類を受け取り確認した後、椅子から立ち上がり喫煙室に向かった。
向かった先には1人煙草を吸っている恭平がいて私はゆっくり中に入り、隣に立った後タバコケースから1本取り出し火をつける。
他人から見たら上司と部下が一緒にいるようにしか見えない私達だけど、
「急にどうしたの?」
「ちょっと急用ができて、夜付き合ってほしいんだけど。」
「急用って?」
「俺の悪友から飲みに行こうと誘われたんだ。
向こうも彼女と一緒に来るから俺も遥と行きたいと思って。嫌?」
「嫌なことはないけど、今日は残業しないといけないから遅くなるけどそれでもいい?」
「かまわないよ。
仕事が終わって来てくれてかまわないから。」
「わかったわ。」
その後場所を確認していると、他部署の人間が入ってきて先に吸い終わった恭平が、
「では、そういうことでお願いします。」
と声をかけ立ち去ろうとしていると、
「っ!」
「どうしました?白金主任。」
恭平は何事もないように私に声をかけながらも、私にだけが気づくことが出来る意地悪な表情をしながら白々しく聞いてくる。
「何でもないわ。」
「そうですか、ではお先に。」
そう言って今度こそ喫煙室を後にする恭平。
私はその後ろ姿を見ながら、

私が耳が弱いことを恭平は知っているくせにっ。
何で耳元に息なんか吹き掛けるのよこんな場所で!
わざとやったわね!!

残り少なくなった煙草を指の間に挟んだまま心の中だけで悪態をつく私。
恭平は私の隣を立ち去る時に、後から入ってきた人間に分からないように私の耳元にフッと息を吹きかけてきた。
私は急に自分の耳元に吹きかけられた息に身体を反応させてしまっことで、顔の火照りを感じながらも何事もなかったかのような表情で煙草の火を消し、気づかれなかったかを横目で確認しつつ喫煙室を後にした。













残業を終わらせた私は、恭平と恭平の友達が待つ場所へ向かい到着した店のドアを開け店員から席に案内された。
「お疲れ遥。」
すでに飲み始めていた恭平は会社での恭平ではなく、2人きりの時に見せる恭平の恰好をして笑顔で私を出迎える。
「座りなよ。」
恭平に促され、隣に座った私の前には恭平が言っていたとおり、1組のカップルが座っていて、それぞれ挨拶をしてくれた。
2人は恭平と大学時代の同級生らしい。
恭平からあまり友達の話を聞いたことはなかったが、時々友達の話をする時に出てくる名前だなということを思いながら、私も2人に挨拶をした。
「聞いていたとおりきれいな人だな。
恭平のことだからいやらしい手を使って彼女にしたんじゃないのか?」
「恭平だったらありえるわね。
遥さん、嫌だったら嫌って言わないとだめですよ。」
「遥がきれいなのは本当のことだけど、俺に対して失礼だなお前達。
言っとくが遥から先に口説いてきたんだからな。」
「口説いてなんかないわよ私はっ。」
「誘惑してきたくせにそういうこと言うんだ遥は。」
「ちょっ、もうそれ以上変なこと言わないで!」
「聞きたいでーす、2人の馴れ初め。」
「私もー。」
「そこまで言われたら聞かせないといけないよな。」
「話さなくていいから!!」
私はこれ以上恭平が余計なことを言い出さないように私は恭平の口を手で押さえようとすると、私の手を舌で触れ邪魔をする。
急な恭平のいたずらに、私は分かりやすく顔を真っ赤にしてしまう。
「可愛いだろ?俺の遥は。」
恭平は楽しそうな表情で2人を見ながらそう言うと、
「確かに。」
「見かけと反応のギャップがつぼよね。」
と、ニヤニヤした表情で2人が私を見ながら答える。

確かにこの2人は恭平の悪友だわっ。
一緒にからかうなんて!

1人からかわれたことに怒っていた私だったが、気がつけばいつもよりお酒が進むほど楽しんでしまっていた。
そのせいか少し酔ってきているのか、頭がボーっとしてきている。





「まさか本当に恭平が大切な人見つけてこんなに変わるとは思わなかったな。」
「そうよねぇ、いきなり見かけを変えるほど女避けしていたくせにね。
でもよかったんじゃない?
女漁りをしていた頃のことを考えれば落ち着いたみたいで。」
「誰が女漁りしてたんだよ。
そんなことしていないぞ俺は。」
「はいはい、勝手に女性が寄ってきてたんだよな。」
「でも、来るもの拒ます去る者追わずだったくせに。」
ボーっとした頭で話を聞いていた私だったけれど、自分が知らなかった恭平の過去を目の前で話され、何だかムッとしてしまう。

そんな話聞いたことないんですけど私。
来るもの拒まず?それだけ遊んでたということなのよね。
ふーん、そうなんだ。

そう思った後、眼の前にあるグラスを持ち、勢いよくなかみをすべて空にする。
そして、眼がすわった状態になっている私は、
「そうなんだ、来るもの拒まずなんだ。ふ〜ん。」
と、恭平の顔をじっと見て絡んでいく。
恭平は私の急な問いかけに焦るようすもなく、
「昔のことだよ。」
と一言ですませ、何食わない顔でお酒を口にする。
「恭平はやっぱり若い子の方がいいんだ〜!」
「は?」
「こんなに私が好きなのにひどいー。
あー、だから今日はこんな恰好でいるのね。
私だけの恭平なのにー。」
「おい遥大丈夫か?
今日は飲み過ぎてるぞ。」
「飲み過ぎてないっ。
本当のこと言ってるだけだし!」
そう言った後私は電池が切れたようにパタッと恭平に倒れこんでしまった。
そして、小さな声で、
「恭平、好き。」
とつぶやいた後スヤスヤと眠ってしまった。
私が眠ってる間、恭平が照れたような表情をしながら2人に冷やかされていたのは意識を失くしている私にはわからないことだったけど。
「恭平、大切な人ができるっていうのもいいもんだろ?」
「そうだな、自分にそんな人ができるとは思ってもなかったけど悪くないよ。」










「のど、乾いた。」
私が目覚めると、布団の上にいることに気づき、部屋を見渡すと恭平の部屋だということを認識する。
「目覚めた?」
身体を起こしていた私に声をかけながら恭平がペットボトルを渡してくれた。
「ありがとう。
もしかしなくても私寝ちゃったのよね。
2人の悪いことしちゃったわね。」
私は酔ってしまうと眠くなってくることが多い。だから、会社の飲み会などでは飲み過ぎないようにしているんだけど、今日は飲み過ぎたみたいだ。
「大丈夫、2人共気にしてないから。
それより、店でのこと覚えてる?」
恭平は私のそばに寄り、腕の中に私を閉じ込めながら問いかける。
私は恭平に問われ、意識をなくす前のことを考えて、自分が恭平に絡んでいたことを思い出す。
最悪なことにしっかり覚えていて、自分の言動が恥ずかしくなってしまい小さな声で、
「うん。」
としか答えることができない。
「それなら良かった。
どうも遥は俺のことを誤解してるみたいだからきちんと誤解は解いとかないといけないと思って。」
「誤解?」
「そう、俺が若い子が好きだとかどうしてあの格好をしていたのかとか。
俺を好きでいてくれる遥に俺の気持ちを疑われるのは許せないし。
俺の愛情が足りなくてそんな誤解をさせてるんだったらしっかり愛情を示さないといけないよな。」
恭平はニヤッと企んだような表情を見せ、私を抱きしめる腕の力を強めだす。
「別に疑ってるわけじゃ・・・。
だから示してもらわなくてもいいんだけど。」
「遥には十分に俺の愛情を分からせる必要があるから今の遥の意見は却下。
大人しく俺に可愛がられてればいいんだよ。」
恭平は上着の裾から手を忍ばせて直に私の肌に触れながら胸を揉みしだく。
そして、
「柔らかくて気持ちいいよな、遥の胸。
それに、感度も良好だし?」
フッと私の耳元に息を吹きかけながら胸の突起にも触れ、私の身体を2か所の刺激で震えさせる。
「んっ!」
「何?これだけで感じてる?
これからだよ、俺の愛情を示すのは。」
感じて声を漏らす私に、鼓膜をいやらしく震わせるくらいのセクシーな声でそうささやく恭平は、ゆっくりと私をベッドの上に押し倒し、同じように倒れこんでくる。
そして、首筋に強く吸いついてきて痕を残す。
「態度だけじゃなくて、印もね。」
「こんな場所につけられたら目立つわ。」
「目立つようにつけたんだよ、遥が俺の物だっていうのをみんなに知らせるために。
ライバルは少しでも減らした方がいいだろ?」
「ライバルだなんて、そんな人いないわよ。」
「遥は自分の魅力を過小評価しすぎなんだよいつも。
でも、遥は他に目をやらずに俺だけを見てればいいんだけどね。」
「私の瞳には恭平だけしか映っていないわ。」
「俺もだよ。」
そう言った後激しく奪うように私の唇を奪う恭平。
激しい口づけに私は答えながら、恭平の首に腕を絡める。
キスをしながらお互いに少しずつ洋服を脱がせていく私達は次第に直で自分達の熱を感じ合う。
その熱は、お互いを欲情させていく・・・・。






「・・・はぁ、あっ」
そして、私の秘部に触れていく指の動きに喘ぎ声を漏らす私に、
「濡れて俺の指を濡らしていってるよ遥、そんなに気持ちいい?」
恭平は私の顔を覗き込み、からかうような声で聞いてくる。
そのことに私も負けじと、
「恭平だって・・・、もう大きく、なってる」
恭平の物に触れ、ゆっくりと手を動かしながらそう言うと、身体をピクッと動かしながらも余裕を見せながら秘部の奥深くに指を埋め込み動かしだす。
「そりゃ遥に触れられたらね。
しかも、色っぽい遥を目の前にして反応しないわけないだろ?
肌が赤く色づいてきて、全身で俺を誘ってるんだから。」
「ん・・・んんっ」
指の動きが速くなりながらも、私が感じる場所を探り当て自然に腰が動いてしまい、恭平を誘っているようだ。

もう、欲しいのに。

私の頭と心を占める望み、それを感じ取ったのか恭平は、
「もっと身体に分からせてあげるよ。」
そう言って私の中に侵入を始める。
「あああっ、・・・んんっ、あん、あっ・・・」
身体を揺さぶられ、恭平の熱を自分の身体の中で感じることができる充足感に私は酔いしれる。
激しくも私を感じさせ優しく抱きしめる力強い腕にしがみつきながら、恭平の私への愛情を受け止めていく。
「はぁん、んっ・・・、気持ち、いい・・っ」
「俺も、だよ。
遥の中熱くて溶かされそう。」
恭平は私の体中に口づけながらいつもだったら恥ずかしくなってしまうことを言う。
でも、もう私はそのことさえも恭平を感じさせることができていることをうれしく思うだけで、口からは、
「好き、・・・好き」
と、うわ言のように繰り返すことしかできない。
動きを速めだす恭平は、激しく私の身体を揺さぶり高みへと押し上げる。
「いっ、くぅ、・・・・・いっちゃうっ!」
「遥、俺のこんな表情を知ってるのは遥だけだよ。
だから、俺の愛情を疑わないでくれよ。」
「うん、・・・うんっ。」
私はそう答えることしかできなくて、感じている表情を見せながら、優しい目瞳で私を見つめる恭平に抱きつく。
「愛してる。」
恭平は私の唇に自分の唇を重ねながら動きを早め、私の中を荒々しく動く。
その動きに私は頭の中を真っ白にさせ、一緒に絶頂を迎えた。





お互いの荒い息を整えた後、腕の中に私を閉じ込めたまま恭平が言ったことそれは、
「俺があの時会社と違う格好をしていたのは、誰か会社の人間がいたら困ると思ったからだよ。
俺は誰に知られてもいいとは思ってるけど、遥の立場的にまずいだろ?」
と、私が密かに引っ掛かっていたなことを教えてくれた。
私と恭平の関係は会社の人間には内緒の関係。
でも、そろそろばらしてもいいのかもしれない。
恭平の魅力に気づく人がいる前に、恭平が私の物だということを知らせる必要があるかも。
もう私は、恭平のそばから離れることは出来ないのだから・・・・。



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