私と彼の関係

ざわめきと機械の音、足音などが響き渡るオフィスの一室。
それはいつもと同じ空気で誰も違和感は感じていない。
そんな中、いつもと少しだけ違う声が聞こえる。
いや、違うということではなくたまにある出来事と言うべきかもしれない。
「よくこの契約が取れたわね。
良くやったわ。」
「ありがとうございます。」
私が今日困難を要していた契約を取ることができた彼、頭山 恭平(とうやま きょうへい)と私、白金 遥(しろがね はるか)との会話を周りのギャラリーは信じられないというような顔で聞いている。
私は頭山君の上司として彼が契約してきたことに対して賞賛の言葉を当然のように口にしていたけれど、周りの驚きは私に対してどよめいているわけではなかった。
頭山君が契約を取ってきたことに驚いてのどよめきだ。
頭山君は、ボサボサ頭に長い前髪、太い黒ぶち眼鏡をかけていて野暮ったい印象を受けるので、一目全く仕事が出来ないようにも見える。
しかし、意外にも今回のように誰もが無理だろうと思っていた契約を当然のように勝ち取ることが出来る実力がある。
そのことは分かってはいてもやはり周りは、どうして二年目でこんなに野暮ったい男がという気持ちを捨て切れないようだ。
「報告は以上です。」
周りのざわめきを気にすることなく報告を終えた頭山君は、スタスタと自分の席へ戻り、書類の整理を始める。

こういう所も大物と言えるのかもしれないわね。

周りを気にする様子もなく自分の仕事に集中している頭山くんを見ながら心の中でそう思う私だった。










「頭山君は何を考えているか分かんないわよね。」
「そうそう。
それに、何で頭山君がこの契約を物に出来たのかが不思議なんだよね。」
「でも、結構契約取ってくるじゃない。」
「そうだけどさ、頭山君っていつもあんまり話しないじゃない?
それって人嫌いというより怪しい趣味があるかららしいって聞いたことあるんだけど。」
「何〜、怪しい趣味って。」
休憩時間、食事から帰ってきた女性社員が頭山君の噂話で盛り上がっていた。
私は机に座って持参のお弁当を食べた後だったからみんなの話がよく聞こえていたが、輪に入ろうという気にはなれないでいた。
「白金主任はどう思います?」
そんな中、話は盛り上がっていき、1人が私に話しかけてきた。
「私、噂は信用しないことにしているの。
真実じゃなくて憶測や偏見なことが多いから、自分が確認したことだけを信じるようにしてるの。
ほらほら、そんな話ばかりしてないでそろそろ仕事始る時間になるわよ。」
私は後椅子から立ち上がりながらニッコリと笑いかけそう言うと、
「はーい。」
返事をしながら頭山君の話を終わらせ自分達の席へと戻り出した。
私はそんな彼女達の横を通り過ぎ、開始時間までの数分間を喫煙室で迎えるべく移動を始めた。
喫煙室に着いた私はタバコケースから一本取り出し口に銜え火をつけた。
少しずつ白い煙が上がり、大きく吸い込んだ後口から紫煙を吐き出した。
そんなに煙草を吸う方ではなかったが、最近仕事中はストレスのせいか本数が増えているような気がする。
今は誰もいない喫煙室。
気持ちを落ち着けたいときや静かに過ごしたいと思う時には意外といい場所だった。
しばらく1人で過ごしていると、喫煙室のドアが動き出し、顔を向けると噂をされていた頭山君本人だった。
「失礼します。」
そう言って私の隣に立った彼は同じように紫煙を口から吐き出す。
少しの沈黙の後、
「主任が噂話が嫌いな人でよかった。」
頭山君は前髪で覆われているせいで表情は見えないが淡々とした声で話しかけてきた。
「聞いてたのね。」
「聞こえてきたんですよ。
でも・・・。」
頭山君はそう言った後私の耳元に口を近づけて、
「主任の噂を気にしない所、・・・・ですよ。」
私にだけ聞こえるような小さな声で囁いた。
その言葉は私を動揺させるには十分な内容ではあったけれど、そんな様子を見せるわけにはいかなくて、何とも思っていない様子を装った。
そう頭山君に伝えるべく、
「そう。」
ニッコリ笑いながら言った後、
「そろそろ戻らないといけないわね。」
そう言って煙草の火を消した後何にもなかったように喫煙室を後にした。










「ちょっ、やぁぁっ」
「嫌、じゃないだろ?
本当に言いたい言葉は別のはずなのに遥は嘘つきだな。」
「そんなこと・・・、な・・い」
息も絶え絶えにそう答える私に彼はニヤッと口の端を上げて笑ったかと思うと、私の中に潜ませていた指の速度を上げていき、私が感じる場所を執拗に攻めてくる。
私はその動きに身体をピクつかせながら濡れた声を上げることしかできない。
身体に溜まる熱をどうにかしたくて彼の首に自分の腕を絡ませながら懇願する。
「ねぇ、もう・・・・、指じゃ、嫌ぁ!」
そんな私に彼は、
「それだけじゃまだ足りないな。
昼間俺が言った言葉に反応も示してくれなかったんだから俺も遥の言葉に反応しなくていいってことだろ?」
彼は楽しそうに私をいじめるための言葉を吐き出す。
そして、胸の突起に吸いた後歯を立て甘噛みし、再び私の身体を快感で震わせた。
そうなると私の頭の中は今以上に今の状況をどうにかしたいということで一杯になり、首に絡めていた腕を彼の髪に近づけ、私だけが見ることが出来る眼鏡をかけていない彼の本当の姿を髪をかきあげて目の前に見せる。
そして、
「だって、あああぁん・・・、あんなところぉ・・・、で、言うからぁっ」
「あんな所?」
「喫煙所なんかぁで、スキなんっ!」
「本当のことだろ?それを言っちゃだめだって遥は言うのか?」
「んんんっ・・・、場所っ考えてっ!」
「いつでも俺は思ったことしか言わないよ。
そんなこと言うんだったら、いつまでもおあずけだよ遥・・・・」
そう言って彼、恭平は私の快感を高めるだけ高めて最後のところを寸止めしてしまう。
そうやっていじわるをする恭平の行為はいつものこと。
それがわかっているから私はいつもの私だったら決して言わない言葉を言ってしまう。
「恭平、お願・・・い、ほしいっ・・・・、んんっ、きょうへいがほしいのぉ!」
いつも陥落させられその言葉を発してしまう私。
でも、待ってましたとばかりに恭平は意地悪な顔を見せながら、
「そうやって自分の気持ちを正直に言うことは大事なんだよ遥。
そうしないと欲しいものは手に入らない。
じゃ、望んでいるものをあげるよ、途中で嫌なんて言葉を言ったらお仕置きだからな。」
そう言って恭平は私の身体の奥深くに自身の物を進めていき、私の感じる場所を攻めてくる。
「ああああぁ!!」
そうなると私の口からは喘ぎ声と恭平の名前しか出すことができなくなる。
そんな私を恭平は激しいけれど包み込むように愛してくれる。
そして、お互いが感じる高みを求めてひたすら求めあう私達・・・・。





恭平と私、それは会社の人間は誰も知らない内緒の関係。
私と恭平だけが知っている恋人としての時間は今日も更けていく・・・・。
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