-4.ペアリングよりも-



侘美(たみ)と買い物で歩き疲れて、お茶をしていた私の携帯に賢(まさる)

から、出張から帰って来たと携帯に電話があった。

侘美の彼と出張中だった賢は一緒に帰ってくるから、4人で夕食を食べよう

と言っている。



同時にかかってきた携帯で話している侘美の相手も同じ事を侘美に言った

らしく、侘美が私の顔を見て頷いた。



私は賢に一緒に食事することを伝え、待ち合わせ場所を決めて携帯を

切ると、私が携帯を切った後侘美も携帯を切り、侘美が私の方を

向いて言った。



「久しぶりだね、4人で食事するっていうのも。」

「そうね。紹介されて私が賢と付き合うまでは、よく4人で食事に行ったり、

遊びに行ったりしてたもんね。

賢と付き合いだしてからは、4人で出掛けることも少なくなったけど。」

私がそう言うと、侘美がニヤニヤしながら私を見て、楽しそうに話し出した。

「美奈子(みなこ)、何で付き合いだして4人で食事に行ったり、遊びに行った

りする回数が減ったのかわかる?」

「回数が減ったのに、理由があったの?」

「今まで言うなって健司(けんじ)に口止めされてたんだけど、健司が誘いの

電話を賢君にしたら、『今日は美奈子と2人で過ごしたいから行かない』

って誘いを断ってたのよ。」

「そうだったの!?初めて知ったわよそんなこと。」

「そうでしょうね。賢君はそんなことしてるって美奈子が知ったらいい顔

しないから言わないでくれって健司に言ってたから。

私も健司から口止めされてたしね。今日初めて美奈子に話したから

初耳のはずよ。

そんな話を何で今更話したのかというと、この話をしても今の美奈子になら

賢君も振られることもないかなと思ったの。」



何でこの話を聞いたからって私が賢を振るのよ。

賢が私と2人でいたいって思ってくれてただけでしょ?



私は、侘美が言っている意味がよくわからず、理由を聞くことにした。

「初めて聞いたこの話が何で賢を振ることに繋がるのよ。」

「何でって・・・。わからないかなぁ。」

「わかんないわよ。」

「賢君は、2人でいたいからって誘いを頻回に断ってることを美奈子が

知ったら、独占欲が強いって思われて嫌がられるかもって思った

みたいよ。」

「そんなこと思わないわよ。」

「そうかなぁ、付き合いだしたばっかりの美奈子は独占欲丸出しの男は

鬱陶しいって言ってたじゃない。」



昔、確かに言ってたかも。

でも、今でも賢は独占欲強い感じはしないんだけど。

だいたい、独占欲強い人が待ち合わせに毎回遅刻するかしら?



侘美の話に疑問を感じていると、侘美は気にする様子もなく話を続けた。

「それを聞いてた賢君は、自分の行動が知られたらせっかく付き合うことができた美奈子

に振られると思ったのよ。」

「せっかくって。賢はそんなに独占欲強くないと思うんだけど。それに、

付き合いだしたきっかけも私からの告白だったし。」

「だから賢君は美奈子に独占欲が強いこと知られたくないんだって。

今だって結構隠してるんじゃないかな。

でも、知らない間に独占欲を美奈子に出してると思うけど感じない?」

「感じないわよ。」

「じゃ、美奈子は賢君の独占欲が苦痛じゃないのよ。それだけ賢君のことが

好きだということなんじゃないの?

本当に好きな人以外に独占欲出されても鬱陶しいだけだしね。」

侘美はニッコリ笑いながら言った後、話疲れたのか残っていた紅茶を

一気に飲んだ。



そうなのかな。

確かに昔は独占欲が強い人とは付き合いたくなかったけど、賢だったらと

思うと平気かも。

私も賢に対して独占欲強い方かもしれないし。

侘美の言うとおり、独占欲が嫌じゃないというのは相手に束縛されたいと

いうことだよね。

それだけ賢のことが好きだということだ。

たとえば、ペアリングをお互い持っているよりも、独占欲で私を束縛して

くれる方が、賢に愛されてる気がしてくるのは気のせいかしら。



侘美の告白に、そんなことを考えながら自分の顔が緩んでくるのを感じて

いた。

そんな私の表情を見て侘美が、

「顔が緩んでるわよ美奈子。何考えてたか当ててあげましょうか。

独占欲があっても賢君のことが大好きなんてこと考えてたんでしょ。」

「何でわかるの!?」

「わかるわよ。そんな顔だったもん。

では、その大好きな私達の彼に会うためにそろそろ店出ようか。」

「そうね、大好きな彼に会うためにね。」

私がそう言うと、侘美が笑い出したので私も一緒に笑ってしまった。







賢がどんな人でも構わないほど私は賢のことを愛してる。



待ち合わせ場所で会ったら言ってみようかな。

そんなことを思いながら、侘美と愛しの彼氏が待っている待ち合わせ場所

に向かった。





odai:Heaves



このカップルの話続きます♪




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