うれしはずかし初デート

ん?何か唇に当たってる?


私は、唇に柔らかいものが当たっていることに気付いた。
でも、私は瞼が重くて目を開けることができない。
すると、私の口の中に何かが入ってきたかと思うと、私の舌に絡んできたり吸ったりと、私の口の中で自由に動き回っている。


何!?何なの!!


驚いた私は、急いで目を開けると、そこには直喜の顔がアップで近づいていて、私にキスをしていた。
私は直樹から離れようとするが、ご丁寧に助手席に座ったままの私のリクライニングを倒して私に覆い被さってキスをしているので、離れることができず、直喜にされるがままになっている。
「ちょっ・・んっ、はぁ」
私の口からは抗議しようとしていたはずなのに、直喜のキスに感じてしまい、違う声が出てしまう。


このままじゃどうしようもないわ!


直喜はキスを止める気配がないので、思いっきりグーにした手を直喜の身体に何度も叩きつけた。
すると、さすがの直喜も私から離れていった。
「何だよ急に、痛いだろうが。」
「こっちの台詞よ!急に何するのよ!普通寝てる人にキスする!?」「何度も声かけたり、身体ゆすってるのに倖が起きないからだろ?
「だからってキスすることないでしょっ!」
「起きない女性にはキスが一番効果的だろ?本とかに書いてるし。
まったく、人が優しく起こしてやってるのに。」
直喜は肩を竦めながら気にしてる様子もなく言っている。


あんたは本に書いてれば何でもするのか。このでか男!!


私は直喜の理屈に頭を抱えながら車から降りると、そこは駐車場で駐車場の先には、水族館の看板が見えた。


水族館?どこにいくのかと思ってたけど、ここが目的地よね。


直喜は私の前を歩きながら、看板の方へ歩き出している。
とりあえす、私は直喜に置いていかれないようにてくてくとその後ろをついていった。









直喜が入場料を払ってくれて、私達は水族館の中に入った。
自分の分は払うって言ったけど、直喜が受け取ってくれないので、結局奢ってもらうことにした。


男の人と出かけたことないから、奢ってもらうの初めてだわ。
今日は、初めてずくしな日かもしれないなぁ。


そんなことを思っていると、前を歩いていた直喜が急に振り返り、ニヤッと笑い出した。


なんなのよ、その何か企んだような顔は。そういえば今日は直喜に絶対服従なんだった。とんでもないこと言い出さないでしょうね。


直喜の何か企んだような顔に不安を覚えながらも、直喜の方を見ていると、直喜が楽しそうに言い出した。
「さーち。今日は絶対服従なんだから、俺の言うとおりにするのわかってるよな?」


うっ、やっぱり。何させる気よ!


「わかってるわよ。で?何したらいいのよ。人として常識あること言いなさいよね。」
「心配しなくても、恋人同士なら常識的なことだよ。今から俺と手をつないで水族館の中を回ること。」


はい?今手をつなぐと言いました
えー!?
確かに恋人同士で手をつなぐのは、常識的なことだけど、そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!!


「何で手をわざわざこの暑い中つなぐのよ!別につながなくてもいいわよ。」
「なんだ?倖は手をつなぐのがそんなに恥ずかしいのか?」
「何言ってんのよ!手をつなぐくらいで何で恥ずかしいんだか。全然つなげるわよ!」
「そうだよな。全然つなげるよな。それに今日倖は俺に絶対服従だしな。」
そう言うと直喜はしてやったりというような顔で、私の手を握りだした。


あーん。また直樹の口車に乗せられた〜。くやしー。


そんなことを思っている私の気持ちを知ってか知らずか直喜は握っている手を、指を絡ませ握り変えだした。


何で指絡ませるのよ!!せっかく緊張しなくなってたのに緊張してきちゃうじゃないの!!


思わず手を離しそうになったけど、直喜の手はそれを許してくれなくて、強く握り、離さないようにしている。
「さーて、恋人同士らしく手をつないでデートしようか。」
「ねー、つながなくても恋人同士には変わりないんじゃない?」
「さーち。自分が寝坊した奴が1日絶対服従って言ったんだからな。自分が言ったことはきちんと守ろうな。」
直喜は笑顔で言った。
「わかったわよ!言うこと聞けばいいんでしょ聞けば。」


覚えてなさいよ〜。今日だけなんだからね大人しく言うこと聞くのは。


私は寝坊したら絶対服従と自分が言い出したことを後悔していたが、今更どうすることもできず、直喜の言うとおり大人しく手をつないだまま
水族館の中を回ることにした。





「きゃーラッコかわいいっ!上手に浮いたまま貝割ってる。あーっ、もう少ししたらイルカのショー始まるみたいよ見に行こっ。」
さっきまであんなに手をつなぐことを躊躇っていたのが嘘のように、私は水族館にいる動物達に夢中になっていた。


私は動物が好きで、動物園や水族館が好きなんだけど、直喜は知ってたのかな?
そう思い直喜を見ると、あのたまにしか見せない優しい顔で私のことを見ている。


そんな直喜の顔に照れくさくなって、思わず下を向いてしまった。


恋人同士にならなかったら、こんな直喜の顔知らないままだったんだよね。
それに、手をつなぐこともなかったんだろうし。


そう思うと、どんどん照れくさくなってしまい、それを誤魔化すように、直喜の手を引いて、イルカショーに向かった。
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