うれしはずかし初デート

直喜からの電話の後、私は呆然としたまま動きを止めていると、なかなか降りてこない私に痺れを切らせたのか、また電話をしてきて、降りてくるように催促してきた。
その後何とか自分を立ち直らせ、床に散らばっている洋服の中から、夏らしい薄手の花柄のワンピースを選び、身支度を整えて急いで下で待つ直喜の所へ向かった。
降りると直喜が車の中で煙草を吸っている姿が見えた。
直喜は私の姿に気付くと、煙草を消して車から降りてきた。
「まっ、予想通りの結果だな。」
「すればいいんでしょ、すれば。絶対服従。」
「ホント倖も自分から言ってやることになるなんてかわいそうに。」
直喜はククッと笑いながら言った。


なーにが可哀相よ。そんなこと思ってもないくせに!
あー、今日1日直喜に絶対服従なんて。これじゃ緊張どころの話じゃないわよ。


「いいから行くわよっ。直喜が行くとこ決めてるって言って教えてくれなかったんだから、きちんとナビしてよね。」
「はいはいお嬢様。では行きましょうか?」

直喜はそう言って、助手席のドアを開けて私に座るよう促した。


うっ、なんでそんな様になってるのよっ。そんなことされたら照れるじゃないの!


私は今までされたことのない助手席のドアを開けてもらう行為にドキドキしながらも、直喜に気付かれないよう平気な顔を装って車に乗り込んだ。
直喜は、私がきちんと座ったことを確認すると、静かにドアを閉め、運転席に座り車を走らせた。








「今日はどこにいくの?」
「それは着いてのお楽しみだ。」
直喜はにっこり笑い、そう返事をした。
車は、高速に乗り快調に走っている。
私は車の免許を持っていないので、車がどこに向かっているのかまったく見当がつかない。


でも、ホントどこにいくんだろ?とりあえずここは直喜に任せないとどうしようもないわよね。


そう思っていると、直喜が聞いてきた。
「昨日はあんまり寝てないのか?」
「そんなことないわよっ。ちゃんと寝たわよ。」
「そのわりには寝坊なんてな。本当は緊張して寝れなかったんだろ。」
直喜はニヤッと笑いながらからかうように言った。
「違うわよっ!緊張なんてしてないし。ぐっすり寝たわよ。」
私は緊張してあまり寝ていないことがばれないようにいつもと同じ口調で答えた。


絶対直喜にばれないようにしなくちゃ!でも、いつもと同じような感じで直喜と話してるせいか、思ったより緊張してないかも。
奈々枝のアドバイスどおり、いつもどおりでいいのかもね。
さすが先輩だわ奈々枝。


車は順調に走り、パーキングエリアで休憩しながらまだわからない目的地に向かっていた。
身体から力が抜けたのか、車の揺れが心地いいのか、直喜としゃべりながら睡魔が襲ってきて、私の瞼はくっついてしまいそうになっている。
「倖、眠いなら寝ててもいいぞ。着いたら起こしてやるから。」
「大丈夫。運転してくれてるのに私が寝るのは悪いし。」
そう言いながらも、瞼の重力には勝てず、気付いたら私は眠っていた。
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