砂糖菓子のような想い


8


美登理が今日帰国することは知っていた。
だが、突然の行動に驚きよりも怒りの方が勝っていた。
どんなものからも桃依は守らなければならないという気持ちが。
今腕の中にいる桃依は、突然現れた俺に対して驚きを見せている。
そんな様子を横目で見ながら美登理を睨みつけ、言葉を発しようとすると、
「あき・・さだ、さん?」
桃依が戸惑いを言葉で表現する。
美登理から視線を外し、桃依に笑顔を見せ安心させた後、再び美登理に視線を戻した。
「どうしてここにいるのか説明してもらいたいんだが、無断で人の家に上がりその上桃依に対して何をしようとしているんだ?」
「あら、言ってくれるわね。
私はただ、私がいない間に秋定がこんな子に私の代役をさせてるようだから教えに来てあげたのよ。
可哀想なことするわよね秋定も。桃依さんというのよね、あなたもういいわよ。
もう用済みだから。」
「用がないのはお前の方だ。
俺に必要な人は桃依しかいない。
それに、俺とお前の間には何の関係もないはずだ。
今すぐこの場所から帰るんだ。」
「関係ない?
それ本気でいってるわけ?」
「お前に対して本気もないだろ、俺に関係がないのに。」
「ひどいこというのね。」
「ひどいとは思わないよ、桃依を傷つけるものから守るためにはな。」
美登理の口から発せられる言葉に、怒りが込み上げながら冷静を装い会話を続け、桃依を守るために自分の中のにある想いを美登理にぶつける。
今まで言葉にしていなかったせいか、溢れださんばかりに言葉が紡ぎだされていく。





「秋定さん、秋定さんは私を好きでいてくれたの?」
冷戦状態にある俺と美登理の間を崩すかのように桃依は声を上げる。
しかし、その声はどこか震えているように感じる声だった。
桃依の声に気がつき、自然に顔を桃依に戻していると、背を向け俺の腕の中にいたはずの桃依は正面を向き、俺の身体に細い腕を回しながら強く抱きついていた。
突然の行動に今まで美登理に向けていた怒りが抑えられ、桃依に意識が集中する。
そして、自分の本当の想いを桃依に対して口にしていたわけではないことに気づく。
自分を落ち着かせ、嘘偽りがない気持ちを伝えなければいけないと口を開く。
「俺は桃依を契約者だとは思っていない。
桃依は俺の大切な婚約者で愛する人だ。
だから俺は桃依を何者からも守りたい。」
伝えたくて伝えることが出来ないでいた想いを口にする。
桃依が愛しくて仕方がないと全身で感じ取ってほしいと。
「秋定さん・・・・、私、私もいつのまにか秋定さんを契約者だと思えなくなってしまっていたの。
契約者という関係が辛くて、秋定さんのそばにいられなくなる日が近づくのが怖かった。
だから、秋定さんに自分の気持ちを伝えたくて・・・・・。
私は・・・・、秋定さんを愛しています。」
「桃依、俺も桃依を愛している。
契約者としてではなく。」
桃依が俺のことを想っていてくれたのだということに身体が自然と喜びで震える。
そして、俺も桃依を愛しているのだということを言葉だけでなく、全身で伝えるべく桃依を強く抱きしめ、想いが通じ合った奇跡に感謝をした。












「ちょっとっ!
人の存在無視してると思うんだけど貴方達。」
気がつけばあれほど意識を集中させていた相手の存在を忘れていたと気づかされる。
美登理の方に顔を向けると、腕組をしながら俺達を睨んでいた。
そして、
「公浩!
いい加減出てきなさいよね、計画どおりうまくいったんだから。」
美登理がドアに向かい叫ぶと、ゆっくりとドアが開き、そこにはしたり顔の公浩が現れた。

すべて公浩が仕掛けていたわけか。

公浩の登場に、美登理の行動の意味を理解した。
だが、桃依は美登理と公浩の会話の意味が理解出来なかったようで、
「公兄!
どういうことか説明してもらいましょうか?」
そう言って俺の腕の中から離れ、公浩に詰め寄る。
公浩といえば、そんな桃依の様子を気にすることなくいつもと同じ口調で、
「保険だよ保険。
いつまでも桃依は素直に秋定への気持ちを言わないから。
秋定のおばあ様と話をすれば素直になるかもしれないとは思ったけど確信はもてなかったし。
秋定も行動を起こすとは思ったけどもしかしたら桃依の様子が変わってなかったらうまくいかないかもしれないと思ったんだよ。
叔父で親友の俺が大切な2人のために行動を起こさないわけにはいかないだろ?
だから、美登理に協力してもらったんだよ。
良かったよ2人がうまくいってくれて。」
口うまく桃依を丸め込んでしまった。
「余計なお世話だよ。
公浩がこんな手の込んだことをしなくても俺達はうまくいってたんだ。
余計な波風立ててくれるな。」
公浩に感謝しないでもないが、下手をすれば桃依との仲がますます拗れたものになってしまっていたかもしれない今回の計画に対し、溜息をつきながら正直な感想を口にする。
しかし、そんな言葉で動じるはずもないかと思っていたが、外れていなかったようで、
「そう言うなよ俺の優しさなんだから。」
俺の肩を叩きながらしてやったりといった表情を向けた。





その後しばらく雑談のように話を4人でした後、公浩と美登理は余計な発言を残したまま去っていく。
そして、俺と桃依は自分達が同じ想いだったということよりも、目の前の嵐が去って行ったことに肩の力が抜けてしまっていた。
だが、しばらくするとお互いに意識は向けられる。
そんな様子を変えようとしてなのか、桃依がコーヒーを飲もうと声をかけてくる。
俺としては、このまま桃依と離れることに寂しさを覚え、再び腕の中に桃依を閉じ込めた。
桃依は慌てながら腕を話すよう提案してきたが、そんなこと聞けるはずもなく却下する。
「秋定さん、いつも私って言ってるはずなのに、今俺って言ってる?」
腕の中でやっと落ち着いた桃依の口からは、愛が囁かれるのかと期待していたのとは違う言葉ではあったが、今まで作っていた桃依の中のイメージを壊すいい機会だと思い、理由を話しだす。
「私と言っていたのは自分を暴走させないよう、自分を作っている時に使っているんだ。
今はもう自分を抑える必要もなくなった。
これからはどれだけ俺が桃依のことを愛しているのかを出せるからな。
俺は好きになる人が現れることなんてないと思っていた。
でも、桃依が俺の前に現れてからそんな考えはなくなってしまっていた。
どうしたら桃依は俺の物になるのか、そんな事ばかり考えていた。
桃依は社長である俺に関心がないようだったからな。
だから公浩に相談して今回の計画を立てた。
あまりいい方法とは思わなかったが実行したんだ。」
「そうだったの。
そうね、私は社長の秋定さんには恋心を持つことはなかった。
でも、こうやって一緒に過ごすうちに秋定さんのことがどんどん好きになっていったの。
だから、秋定さんが私のことをずっと好きだと言ってくれるのはとてもうれしい。」
「桃依、愛してる。
ずっとそばにいてくれ。」
話し終えた後、どちらからともなく近づく唇。
おばあ様の家で気づかれないように重ねた時とは違い、お互いの気持ちが混ざり合ったキスは、今まで感じたことがないような甘さを俺に与えた。












「えっ、ちょっ!?」
自分の中にある欲望を抑え切れなくなってしまった俺は、桃依を抱きかかえると寝室へと向かった。
桃依といえば、突然のことに驚きの声を上げている。
ベッドの上に桃依をゆっくりと下ろし、
「この間は大人しく一緒に眠ったままでいただけだから結構限界にきているから今日は覚悟しておけよ。」
そう宣言をした後、ゆっくりと桃依の洋服を脱がせていく。
そんな合間にも、徐々に見えてくる桃依の柔らかく白い肌に自分の手を滑らせ、感食を味わう。
しかし、それだけでは飽き足らず、口を近づけ胸の突起、やわ肌に吸いつく。
そうすることで次第に桃依の口からは熱い息と共に、甘い声が吐き出され、それを合図にするかのように俺は桃依のすべてを味わうことを止められない。
身体を震わせ、俺の愛撫に答える桃依の姿は扇情的で俺を誘ってくる。
「あきさだ・・・、さん」
瞳を潤ませながら囁かれる俺の名前。
桃依が感じている姿に、もっと感じさせ乱れさせたいという気持ちが強くなり、ゆっくりと秘部に指を滑らせる。
するとそこはすでに甘い蜜を流しており、俺の指が触れ、奥に侵入を開始させると待っていましたと言わんばかりに指を伝いだす。
「はぁっ、んんっ・・・」
「桃依、音が聞こえてくるだろ?
こんなに濡らしてるんだから。」
「言わないっ・・・・、やぁあっ」
「恥ずかしがることはない、桃依が俺を求めてくれているのが分かって嬉しいんだから。
桃依、俺の指を締めつけているぞ。」
もっと、もっと桃依を乱れさせたいと、いやらしい言葉を耳元で囁き、優しく耳たぶに喰いつく。
言葉と刺激に反応するように、身体をピクつかせる桃依。
俺のものも、そんな桃依の様子に我慢がきかなくなってきていた。
柔らかくなった桃依の秘部から自分の指をゆっくりと引き抜き、熱くなっている自分の物を近づけ、ゆっくりと侵入させる。
「んっ、はあぁぁあ!」
侵入させた後、桃依の口から発する声。
それと同時に俺の物に絡みつき、感じさせようと蠢く内部。
小さく息を吐き、ゆっくりと動き出す俺だったが、今まで感じたことがない感触と身体を熱くさせる快感。
どんな女性と身体を重ねようとも得ることが出来なかった充足感が身体中を満たし、快感を追う。
次第に荒くなる息使い、そう感じながらも今自分の中にある高ぶりを止めることは出来ない。
「あきさだ・・・さんっ、すきなのっ」
「もう、離さない。
愛してる、桃依。」
愛しいという想いを隠すことなく瞳でも訴えながら口にする桃依に答える。
そして、お互いの唇を重ねた後、速度を上げお互いの快感の渦を解放した。













その後の俺達は、婚約式、結婚式を済ませ新婚生活をスタートさせている。
桃依は、結婚と同時に仕事を辞め、家を守ってくれている。
本当は仕事を続けたかったのではないかと問いかけたが、
「昔はずっと仕事を続けるって思ってたけど、今は違うの。
秋定さんが家に帰ってきて寛いでくれるようにすることが楽しくて仕方がないの。
だから、秋定さん、私の仕事のことは気にしないでね。」
そう言って、家事を頑張ってくれている。
俺はといえば、会社で桃依の顔を見れなくなったことを寂しく思いながらも、家で待ってくれている愛しい妻を想い、仕事を早く終わらせることに力を入れている。
そして、疲れた身体を癒してくれる桃依の笑顔とお菓子に、砂糖菓子のような甘さを漂わせている生活に、幸せを感じる日々を過ごしている。


+おわり♪+



秋定さんsideのお話完結です。
何だかんだで完結までに時間がかかってしまいましたが、最後はやはり甘くなってしまったかな?
なんて思っているのですが、いかがだったでしょうか。
この2人はこれからもぽちぽち書いていくかと思いますが、これからもお付き合いよろしくお願いします。
番外編連載お付き合いありがとうございました。





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