砂糖菓子のような恋



社長に部屋を案内してもらった私は、ゆっくり部屋の整理をしてかまわないと言われ、私の部屋として用意されている私にとっては無駄に広いとも思える部屋に運び込まれた荷物をお言葉に甘えてということで部屋にこもることにした。
家にあった荷物がそのまま移動されているらしく、本当に私はここで暮らさないといえないんだという思いが強くなる。

結婚なんかしたくないと思っていた私が、契約結婚とはいっても社長と結婚することになるなんてね。
何だか社長に丸め込まれたような気がしないでもないのよねー。
社長と契約したわけだから今更駄々をこねるようなことはしないけど、公兄には一言言わないと気が済まないわ!

荷物を片づけながら頭の中で色々考えていると次第に公兄に対する怒りが沸々と込み上げてきてしまった私は、出張に行っている公兄へ電話をしていた。
携帯の画面に公兄の携帯番号を表示させ、通話を押してかけるとしばらくコール音が鳴った後留守電になってしまった。
留守電になったことにますます怒りが込み上げた私は、
「公兄!私から電話かかるって分かってたんでしょ!!
何で電話にでないのよっ。」
怒りにまかせ、留守電に怒鳴り声を録音させた。
勢いよく通話を切った後携帯を見ていたとしか思えないほどの速さで公兄から電話がかかってきた。
「何大きな声出してんだ?」
と、私の怒りなど気にしている様子もないような声で聞いてくる。
その声は今までの経験から考えて、私が何で怒っているか分かっていてあえて聞いてくる時の口調だった。

こういう人よね公兄は。
私が怒っているの分かってるくせに気づいてないふりして私の怒りが収まるまで話をさせるのよね。
もうその手には乗りませんからねっ。

そう思いながらも、人というものはそう簡単に変わるものではなく、結局いつものように怒りにまかせて話をしてしまう私だった。






「いい案だと思ったんだけどな。」
私が一通り話をして落ち着いてきたことが分かると公兄は、ゆっくりとした口調で話かけてきた。
「いい案とは思わないんですけどね私は。」
「そうか?
桃依は結婚したくない、でも姉さん達から見合いを勧められ困っていた。
秋定も見合いを勧められていたけど結婚したくないがどうしても結婚しないといけない事情がある。
桃依にとっては時間稼ぎにしかならないかもしれないが、とりあえずは姉さん達からの見合い攻撃からは逃れて、しかも人助けまでできる。
いい話じゃないか。」
「そんな簡単にいいますけどね・・・。」
「OKの返事をしたんだろ秋定に。」
「しましたよ、社長命令なんだから。」
「社長命令ね。
何にしろ結婚生活楽しんでくれ。」
「楽しめるか!」
「ははは。」
「笑って誤魔化さないでよね。
公兄私からこうやって電話がある事分かって出張に行く日を選んだでしょ?」
「そんなことないぞ。
俺は急に入った出張で仕方なくここにいるんだから。」
「嘘ばっかり。
面倒くさくなる前に退散しただけのくせに。」
「桃依はいつも桃依のことを可愛がっている叔父さんを疑うなんて俺は悲しいぞ。」
「本当嘘くさいのよね、そういうこと言うところが。」
「そう言うなよ。
じゃそろそろ切るぞ。
もう仕事に戻らないといけないからな。
桃依、楽しい結婚生活過ごせよ。
仕事は今まで通りにやってもらわないといけないけどな。
じゃ。」
そう言って公兄は電話を切ってしまった。

結局公兄のペースに乗せられて話をして終ってしまった・・・。
今更いろいろ言ったところで状況がかわるわけではないし、とりあえず荷物の整理やらないとね。

私は自分に言い聞かせるようにそう考えると、山積みになった荷物を片付け始めた。



私のいけないところ・・・・・、物事を深く考えず行動すること。
ようするに単純な性格なのよねきっと。











荷物の整理を始めだすと、できる限り今日中に済ませたいと思うあまり夢中になり過ぎて、ひと段落ついた頃には時計の針が夕方に近づいていることを知らせていた。
夢中になっていたらとはいえ、コーヒーを飲んだ以外食事を摂っていなかった私は、急に自分がお腹が空いているんだということを自覚して身体から力が抜けてしまう。

お腹空いたなぁ。
とりあえず、何か食べさせてもらおうかな。

そう思った私は、洋服を着替えると社長がいるはずのリビングへと向かった。
リビングに向かうと予想に反して社長はいなくて、どこにいるのか分からない私はとりあえずどこかの部屋にいるんだろうということで、社長に教えてもらった社長の部屋から探すことにした。
社長の部屋の前に立ちノックをすると、しばらくしてから社長がドアを開けてくれた。
「どうした?」
「あの・・・・、お腹が空いたので良かったら冷蔵庫の中にあるものを使わせてもらえないかと思いまして。」
「冷蔵庫?
冷蔵庫には飲み物とつまみくらいしか入っていないが。」
「お酒とつまみ?
いつも食事はどうされているんですか?」
「ほとんど外食だな。」
「そんな不健康な。」
「自分では作れないんでな。
特に困ることもないし。」
「そうですか。」

抜かってたわ。
社長がそんな不健康な生活していたなんて。
秘書として早く気付くべきだったわ。
でも、甘党なのにお酒も飲むのね。

そんなことを考えながら、とりあえず社長には健康的な食事をしてもらわないといけないという秘書魂に火がついた私は、
「よろしければ私夕食を作りますので一緒に食べませんか?」
と、社長ににっこりといつもの秘書をする時に見せる笑顔で言った。
すると、社長は特に表情を変えることはなく返事をする。
「君が作ってくれるのか?
そう言えば君の母親が食事は作れると言っていたな。
では、作ってもらおうか。」
「はい。
では、材料を買いに行ってきますね。
近所にスーパーはありますか?」
「歩いて行くには少し遠いな。
私が車を出そう。」
「そんな、社長にそんなことさせられません。
大丈夫です、多少遠くても歩いていけますから。」
「そういうわけにはいかなだろう。
私も食べる食事も作ってくれるんならなおさら。」
「でも・・・。」
「ではいくぞ。」
「あっ、待ってくださいっ。」
社長は私の横を通り過ぎるとスタスタと歩きだし、私の言葉には耳を貸してくれそうにもなかった。
仕方なく私は社長の後ろを大人しくついていくしかなくなってしまった。
そして私は、スーパーに行くには高級だろうと思ってしまう車に乗ることになり、高級スーパーにでもいかないといけないだろうか?なんて見当違いなことを思いながら社長が運転する車の助手席に大人しく座っていた。





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