砂糖菓子のような恋



結婚とはなんだろう?
必ずしないといけないものなんだろうか?
でも私は結婚を望んでない。
だって、あまり結婚をして良かったという話を聞かないから。
それに、旦那様がいると自由もなくなるみたいだし。
私は今の自分の状況が居心地いい。
それを壊し、束縛されるのを望む気にはなれない。
どうしてみんな結婚をするのだろう?











「ゼーッタイ嫌!」
「そう言わないで会うだけ会ってみてもいいじゃないの。」
「嫌なものは嫌です。」
「桃依が心配なんだよ。」
「心配してもらわなくても大丈夫です。
私は1人で生きていきますから。」
「結婚もせずに1人で生きていくとは何事だ!」
「そんなに大きな声で言っても怖くないから。
私は結婚したいなんて1度も思ったことないって言ってるでしょ。
いい加減諦めてよ。」
「うう、結婚したくないなんてそんなこというなんて、お母さん悲しいわ。」
「もー毎回同じ会話になるんだから。
もう泣き落としなんて効きませんからね!」





この会話は、私と両親が習慣になってしまっているかのように繰り返している会話だ。
両親は私、河野 桃依(かわの ももえ)が29歳という微妙な年齢になって心配になったようで、毎日のようにお見合い話をもってくる。
最初は両親の気持ちも分かるし、会うだけならいいかと思ってお見合いをしたこともある。
もちろんお断りを続ける私に両親は、
「いい加減にしろっ!」
「どうして結婚してくれないのかしら。」
と、怒ったり泣いたりとあの手この手を使ってくる。
それでも私は結婚する気にはなれなかった。
両親はとても仲が良くて両親を見て結婚が嫌になったことはない。
ただ、友人が次々と結婚していく中色んな話を聞くと、結婚しなくてもいいんじゃない?と思うことの方が多いのが原因かもしれない。
結婚して仕事も制限され、自分の好きなことも出来ない。
そして何よりも、自分の生活に他人と一緒に暮らすことを想像が出来なかった。
そんな考えの私が結婚をしようという気なんて起こるはずもなく、彼氏いない歴をどんどん伸ばしていっている。

何でみんな結婚するんだろ?
こんなことを思うのは好きな人がいないせい?
でも、好きな人がいても同じことを思う気がする。
充実している仕事に不満はない。
このままの状態が続けばいいのにと思ってしまう。
だから、私はお見合いを断り続けることになるから両親にもう諦めてほしいけど、当分は無理だろうなぁ。









今日も社長のスケジュールは分刻みになっている。
社長秘書をしている私は、忙しいけど毎日充実感がある今の仕事が好きだ。
私が勤めている会社は、母の弟である叔父さんに紹介されて入社を希望した。
叔父さんは母と歳がすごく離れていて、私との方が歳が近い。
そのせいか、私は兄のように思っていたし、叔父さんも私を妹のように可愛がってくれた。
そんな叔父さんの仕事している姿が私には魅力的に見えた。
だから、私も叔父さんのようになりたいと思って今の会社に入社することを決めたわけだけど、自分が思っていたよりも仕事はきつかった。
それでも辞めたいと思ったことは1度もない。
楽しいお仕事だもの、今日も頑張らなくちゃ。





「社長、書類の確認をお願いします。」
「分かった。」
私は社長に確認してもらうべく用意していた書類を社長に手渡した。
書類にすぐ目を通してくれた社長は、結構な量の書類を気にする様子もなく片付けていく。
私が秘書をしている社長、伊神 秋定 (いがみ あきさだ)は、35歳の世間で言われる御曹司で先代から後を継いで5年ほど経つ。
仕事も的確で、伊神社長が社長になってから我が社の業績は伸びている。
就任直後は御曹司だしわがままだろうと心配していたけれどそんなことはなく、真面目な性格だということが仕事を一緒にしてきてよくわかった。
でも、真面目だということ意外私には伊神社長の性格は分からない。
だって、社長は仕事以外のことはほとんど話さないし、ほとんど笑うこともない。
喜怒哀楽が分かりにくいと言った方がいいのかもしれないかも。
そんな社長だけど、お金持ちで顔がいいから女性によくモテル。
そのせいか女性からのプライベートな電話がかかるときがあるので、見えないけどそれなりに遊んでいるんだと思う。
でも、特定の彼女はいない様子。
真面目で遊び人というのは不思議な感じだけど、私には関係ないことなので特に気にしたことはない。
秘書仲間は玉の輿を狙っているみたいだけど。

玉の輿、興味ないなぁ。
みんな何でなりたがるんだろ?

私は書類を受け取りながらそんなことを思いつつ社長の顔を見つめてしまっていた。
「私の顔に何かついているか?」
そんな私の様子が怪しかったのか、社長は私に聞いてきた。
でも、そんな時でも社長の表情は真面目なままで崩れていなかったんだけど。
「いえ。
では、失礼します。」
そう言って私は社長に頭を下げた後にっこり業務用の笑顔を見せながら社長室を後にした。









仕事も終わりロッカーに向かった私は飲みに行かないかと誘われたけど今週の仕事の疲れをとりたくて早く家に帰りたいという気持ちが強くて断った。
着替えが終わった後玄関を出ようとしていた私に、
「河野、今日はどこにも行かず帰るのか?」
と声をかける人がいた。
「うん、もう帰るよ公兄。」
私は声をかけてきた男の人に業務用の笑顔ではなく、親しみを込めた笑顔を見せながら返事をした。
「こら、まだ会社なんだからきちんと鈴村室長と呼びなさい。」
「もう玄関だし、周りに誰もいないんだからいいでしょ?」
私に声をかけてきたこの男性は、私の上司の秘書室室長でもあり、私の叔父さんでもある鈴村 公浩 (すずむら きみひろ)だ。
会社で私達が親戚だと知る人はいないので、会社では上司と部下の関係に徹している。
会社から離れると仲が良い叔父と姪の関係に戻るんだけれど、最近は家に遊びに来てくれることも少なくて、ほとんど上司と部下の関係のほうが多いくらいだ。
そんな公兄が玄関でいきなり声をかけてくることは珍しかったけれど、久しぶりに叔父と姪として話ができると思うと、大好きな叔父さんに笑顔になるのは仕方がないことだと思う。
「今日はまっすぐ家に帰るつもりだけど。」
「それはよかった。
今日姉さん達に話したいことがあったから家に行こうと思ってたんだよ。
桃依がまっすぐ帰るんだったら一緒に夕飯食べれるな。
姉さんに俺の分も用意しとくように言っといてくれ。」
「分かった。
でも、何の話があるの?」
「それは内緒だ。
先に姉さん達に話さないといけないことだからな。」
「気になるなぁ、そんな風に言われると。」
「そういうなよ。
そうだ、聞いとかないといけないことがあったんだ。
桃依は今付き合ってる人いたか?」
「いないけど。」
「好きな奴もいないのか?」
「うん。
何でそんなこと聞くのよ。
もしかして公兄まで私に見合い話持ってくるんじゃないでしょうねっ!?」
「違う違う。
見合い話じゃないよ、ただちょっと聞いときたかったんだ。
じゃ、姉さんに言っといてくれよ。」
公兄は私がまだ疑問をぶつけようとしているのを遮るように私の前から立ち去ってしまった。

何だったのかな、初めてだよね公兄が私にこんなこと聞いてくるの。
何だろ?本当にお見合いじゃないんでしょうね。
まさか公兄までお母さん達の仲間いりするなんて。
いやいや、見合いじゃないって言ってたし、公兄が私が嫌がることなんてするはずないんだから信じなくちゃね。

私は気を取り直して携帯をバッグから取り出し、家に電話をかけて公兄が夕食を食べにくることをお母さんに連絡した。



公兄が来て夕食を食べていると、
「公浩からも桃依に言ってちょうだい、早くいい人見つけて結婚するように」
と、お母さんは私の顔を見ながら目を潤ませて公兄に訴えた。

お母さん、嘘泣きなのは分かってますから。
自然に自分が好きな時に涙流せるんだからすごい人だよホント。

私は聞こえない振りをして食事を続ける。
そんな私に公兄は分かっているだろうはずのことを聞いてきた。
「桃依は結婚したくないのか?」
「したくない。
公兄だってしてないじゃなの。
それなのに私にだけ結婚薦めるのはおかしいと思う。
公兄こそいい人いないの?」
「俺のことはいいんだよ。
結婚したくないわけじゃないんだから。
桃依、結婚もいいものかもしれないぞ?」
「公兄まで結婚薦めないでよ。
私はいまのままで十分幸せなんだからいいんですっ。」
そう言って私はこれ以上結婚話が続かないように話を終わらせるために別の話をすることにした。
そんなこんなでなんとかこれ以上結婚話を出さずに食事を終わらせその後公兄と両親が話をしていたけど、何とか無事に自分の部屋に帰ることができた。

結婚結婚、もういいですからその話題は!

私はそう思いながら部屋で寛いだあと会社での公兄の話が気になりつつ、またあの輪に入るのは躊躇われて後日話を聞くことにして眠りについた。












「どこよここ。」
朝目覚めると、きちんと自分のベッドで眠っていたはずの私は、今まったく知らない場所のベッドの中にいた。
突然のことに何がなにやら分からなかったけれど、このままここにいてもどうにもならないと思いベッドから出て部屋から出ることにした。
部屋から明かりがする方に向かってあるくとドアがあり、そのドアを開けるとそこには意外な人が立っていた。
そう、そこにはなぜか伊神社長が立っていたのだった。



「伊神社長!?」
私は意外な人物の登場に驚いてしまいその場で立ち尽くしてしまったけれど、そんな私に伊神社長は驚いた様子はなかった。
「桃依起きたのね。」
立ち尽くしている私に聞きなれた声が聞こえてきて声がする方向を向くとそこには両親がソファーで寛いでいて、しかも満面の笑み。

お母さん達までいるということはどういうこと?
今の状況はどうなってるのよー!

私はやはり分けがわからないままでいると、満面の笑みのままお母さんは伊神社長の方に手をやると、耳を疑いたくなるような言葉を言い出した。
「この方があなたの旦那様になるのよ。
良かったわね、いい方が旦那様になってくれて。」

伊神社長が旦那様!?だからこの状況どうなってるのよっ。
誰か私に教えて!!





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