嫌いで好きな人



直喜と付き合いだして初めての大ゲンカをしてしまった。




付き合う前は、あんなに『だいっ嫌い』なんて言葉毎日のように

言ってたのに・・・。
                           今は、その言葉を直喜に言ってしまったことをすごく後悔している 私・・・。



だって、あの時に言っていた『だいっ嫌い』は直喜のことが好きだと

いうことをまったく気付いていなかったから、言っても自分の本当の

正直な気持ちだと思って、何回直喜にその言葉を言っても後悔する

ことなんてなかった。



だから付き合った途端、『だいっ嫌い』という言葉がこんなにも

自分を落ち込ませてしまうなんて・・・。





「何であんなこと言っちゃったんだろ?」

直喜とケンカ別れして家までの道をトボトボと1人つぶやきながら

直喜に言ってしまった言葉を後悔していた。


直喜怒ってるかなぁ、それよりも呆れてるかも。

はー、本当何であんなこと言っちゃったんだろ。

怒った内容も私の一方的なものだったし、気付いたら口から

出てしまってたのよねぇ。

冷静に考えたら、別にあんなこと言うほどのことでもなかったのに。

それなのにあんなこといっちゃって、直喜と仲直りできないかも・・・。

自分が情けなくて泣いちゃいそう。


そう思ったら、鼻の奥がツンッとしてきて涙があふれてきた。

涙で視界がぼやけながら歩いていると、自分の家が見えてきた。


今日はとりあえずお風呂に入って、その後ベッドに入って泣いて

しまおう。

それからどうするか考えよう。


そう思ってエレベーターに乗って部屋に向かうと、私の部屋のドアに

もたれかかって立っている人影が見えた。

その人影は私に気付いてドアから離れ、近づいていた。

「何泣いてるんだよ。」

そう言って人影の人物・直喜が私の瞳から流れている涙を指ですくった。

「泣いてないわよっ、水がついてるだけよっ。」


なんて可愛げないんだろう私。

直喜が来てくれたことが嬉しいくせにこんなことしか言えないなんて・・・。


そんなことを思っていながら直喜に答えると、

「そうか?」

直喜はそう言って指についたものを舐めた後、

「水の割にはしょっぱいけどな。」

と、フッと笑いながら言った。

「私が水って言ってるんだから水なのっ。」

「そうですか。倖がそこまで言うんなら水なんだろ。」

「そうよっ。」

「まったく、素直じゃないな倖は。知ってたけどな。」

「どうせ私は素直じゃないですっ。」





やっぱり私の口から出る言葉は可愛げない言葉ばかりで、そんな自分が

情けなくて直喜に水と言い張った涙がどんどん瞳から流れてくる。

そんな私をじっと見ていた直喜は不意に私を抱きしめてきた。

「倖、俺は倖が素直じゃないこともわかって付き合ってるんだから

全然大丈夫だよ。倖が素直じゃないことより、倖が泣いているのを

見ることの方がつらいよ。だから泣き止んでくれると助かるんだけどな。」

直喜は私を抱きしめて髪を撫でながら言った。


こんな私でもいいの?

あんなこと言ったのに?


私は直喜が髪を撫でている動きが気持ちよくて、直喜の言葉が嬉しくて、

素直な言葉が出てきた。

「ごめんなさい。あんなこと言うつもりじゃなかったの。

もう直喜許してくれないかと思って1人で泣いてたの。」

「そんなわけないだろ?あんなことぐらいでせっかく俺の物になった倖を

離すつもりなんてないからな俺は。」

そう言って直喜は、私から身体を少し離しながら頬を流れている涙を

拭ってくれた。

私は直喜の言葉が嬉しくて自然に笑顔が出てきた。

そんな私を見て直喜も笑顔になっていた。





「じゃ仲直りしたということで、倖の部屋に入れてもらおうかな。」

「しょうがないわね、入りたいなら入れてあげるわよ。」

「さっきまで泣いて素直だったのに、もういつも通りなのか?」

「こんな私でもいいんでしょ?」

「全然問題ないですよ。それに、他にも素直になってもらう方法は

あるからな。」

「方法?」

「そう、とりあえずそれは部屋の中に入ってからだな。」

直喜はそう言って、鍵を開けた私の部屋に一緒に入った。



その後は、直喜が言っていた方法で素直になっている私がいた。

でもその方法のせいで、次の日仕事に遅刻しそうになるというおまけも

ついていた。





後日、私はいつまでも直喜と一緒にいることができるように少し素直に

なろうと心に誓った。

でも、天邪鬼な性格が邪魔をしてまだまだ素直になれそうにも

なかったりする。





久しぶりの倖と直喜のお話です。
いつもとちょっと違う雰囲気の話になってしまいました(笑)
いかがでしたか?
付き合いだしたら必ず訪れる『ケンカ』
倖と直喜だったらどんな感じになるかなぁと思いながら
この話は書いてみました。
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