彼と彼女の攻防十戦

お題2 着信拒否

今日は仕事帰りに直喜と夕食を食べにきている。
外食をするのは久しぶり。
最近直喜の仕事が終わるのが遅くて会えないことが多かったから。
会えないときは淋しくて仕方ないけど、こうやって一緒に出かけたり、会うことができるのはとってもうれしい。
会社でも顔を合わせたり、毎日電話はしてるけど、すれ違いざまに話をするだけだったり、電話越しの声を聞くだけというのは何といっても味気ないものだ。
だから、ゆっくりと話が出来て、直喜の顔がじっくり見れるこんな時間が私は好きだ。
恋人がいる人は大多数がそうだとは思うんだけどね。
そんなことは口が裂けても直喜には言えないけど。





意外と言っては何だけど、直喜と食事をしていると箸使いがきれいでいつも目がいってしまう。
あんな俺様なのに箸使いがきれいなのは誰が見ても意外だと思う。
だから、じっと見てしまうのは仕方ないと思うんだけど、そのたびに、

「そんなに見つめるほど俺のことが好きなの?」

なんて言葉を言うのはやめてほしい。
自分が直喜のことを見つめすぎていることを自覚して恥ずかしくなるから。
そして私はいつものように可愛くない言葉が口から出てしまう。

「そんなわけないでしょ、何言ってんだか。
すごい勢いで食べてるから驚いただけよ。」

てね。
私はいつも直喜に言ってしまう自分の可愛げがない言葉に、どうして少しだけでもいいから素直な言葉が言えないのか自分に自問自答してしまう。
でも、どんなに考えても天邪鬼だからという答えしか出てはこない。





「結構おいしかったな。」
「そうね、おいしかったよね。」
直喜と夕食を済ませた私は、お店から出て駅に向かう道でこんな会話をしていた。

こういう時は素直な言葉が出る私って。

自分に突っ込みを心の中で入れながら直喜と手を握りながら駅までの道のりを人にぶつからないように歩いている。
あれほど抵抗していた手を握るという行為も、慣れというものは怖いもので、今では自然に出来るようになっている。
照れくさくはあるけど、前みたいに動揺することもなくなった。
直喜の手の温もりが心地よく感じるようになったせいだと思う。
直喜に触れて触れられたいと思うようになっているのも、直喜と付き合う前の私が知ったら驚いてしまうだろう。
だって、あんなに嫌っていたはずの男にそんなことを思ってるんだから。






明日は仕事だけど、久しぶりに一緒に過ごせる夜ということで、自然な流れで直喜の家に向かっていた私達は、直喜の家についた後、お風呂の準備をしている間ソファーでくつろいでいた。
「倖、この間電話した時電話出なかっただろ。」
「いつ?」
「一昨日。」
「あー、奈々枝と会ってたから電話出れなかったんだよ。」
「嘘だな。」
「何で嘘なのよ。」
「やっと電話つながった時声が怒ってたぞ。」
「そんなことないわよ。普通だったし。」
私はそう言いながらも、直喜の言葉にビクッと反応していた。
確かにあの日は奈々枝と会ってたのは嘘じゃないんだけど、電話に出れなかったというのは嘘なんだよね。
直喜からの電話だというのは気づいてたんだけど、急にキャンセルになった直喜とのデートの日だったから、出たくなかったんだよね。
仕事だから仕方ないのは分かってるんだから出ればいいのに、出ちゃったらまた可愛げないことを言っちゃいそうで出れなかった。
奈々枝と過ごして話を聞いてもらい気分を落ち着かせた私は、再びかかってきた直喜の電話にやっと出ることが出来た。
何とか可愛げない言葉を言わないで済んだんだけど、声のトーンを上げて話すことが出来なかったのはよく覚えている。
覚えてるけど、ここで素直にそんなこと言うわけにはいかない。
だって、そんなこと言ったらただの我侭な女だし。
でも、そんな態度をとったことが我侭なんだろうけど。
直喜の質問に歯切れ悪く答えている私に直喜が、
「倖、また1人で怒ってたんだろ。そして、武藤さんに相手してもらって落ち着いたから俺の電話にでたんだよな。」
と、私の考えが分かっているようにスラスラと答えた。
そんな直喜に私は思わず、
「何で分かったの?!」
と、自ら本当のことをばらしてしまった。
「やっぱりな。」
「何で分かったのよ。」
「倖の考えることなんてすぐに分かるよ。淋しがりやだからな倖は。」
「淋しがりやじゃないしっ!」
「そうかな?倖は俺に会えなくて淋しかったんだろ?素直に言えばいいのに。」
「言いませんっ!!」
「そんな所が倖らしいな。じゃ、言いやすいようにしてやるよ。」
そう言って直喜は私の唇に自分の唇を重ねた後、口の中に舌を侵入させ、私の舌に絡めてくる。
そして、私を高めるように縦横無尽に動き回る。
口が少しずれた時にくちゅくちゅと音が漏れてくるのが耳の奥に響いてきて恥ずかしく思いながらも、受け入れてしまう。
しばらくして直喜の唇が離れていくと、直喜がニヤッと楽しそうに笑いながら、
「倖、目が潤んでかわいい。」
そう言って私の胸に手を触れたかと思うと、器用に洋服を脱がせていく。
直喜の言葉に、

何言ってんのよっ!

と思いながらも、口に出して言おうとしたけど私の口から出たのは、
「はぁぁんっ」
という甘い喘ぎ声だった。
それから直喜が胸の突起に触れ舌で転がしたり、反対の胸の突起を指で刺激してくることに反応してしまい、秘部が濡れてきているのを感じていた。
でも、そんなこと直喜には言えなくて、ただ直喜がくれる愛撫を受け入れることしかできないでいた。
「あんっ・・・はぁぁあん」
「気持ちよさそうにしてるな」
「そん・・・なぁ、こと、なっあああぁ」
否定の言葉を言おうとしていた私に言わせないようにしたいのか、秘部に指を侵入させてきて、最後まで言わせなかった。
侵入してきた指は、口の中に侵入してきた時と同じように、縦横無尽に動き回っているかと思うと、私が感じてしまう場所を探り当て、その場所を攻めてくる。
その動きに私の身体はビクッと反応し、身体をのけぞらせてしまう。
もう私は、ただただ感じることしか出来ないでいる。
「んんっ、はぁん・・・、もぉ」
「ん?何がもう何だ?」
「意地悪しないでぇ・・・」
私は直喜を自分の身体の奥に欲しくて、自然に腰をすり寄せていた。
でも、直喜は分かっているくせに知らん顔をしたまま、指を動かしたり、私の身体にキスの雨を降らせている。
しかも、私が感じる場所を狙って。

私が感じているのは分かってるくせに・・・・。

私は、感じすぎて溢れようとする涙を止めることが出来ない。
そんな私を見ながら直喜は、何か企んだような顔をしていると思ったら、
「素直に言ったら、倖が欲しがってるものをやるよ。」
「んんんっ、な・・・に・・?」
「淋しかったんだろ?」
「そんっ・・・んんっ!」
「ほら、素直になった方が楽になるし、気持ちいいのにな。
どうする倖?」
そう言って直喜は私を攻め立てる。
言うもんかと思っていても、自分が求めているものが与えられなくて、飢え過ぎてしまっていた私は、
「さびしかっ・・・た、淋しかったのぉ!」
と、言えないはずの言葉を直喜の計画通り言わせられてしまった。
「よく言えました。俺も会えなくて淋しかったよ。
ほら倖が欲しがってた物はこれだろ?」
そう言って直喜は私の秘部に自分の物を近づけると、グッと奥に侵入してきた。
「あん、あああぁ、・・・・っ!」
やっと与えられた自分が求めていた物を受け入れて、私は直喜がくれる快感だけをひたすら追った。
そして、頭を真っ白にさせるほどの快感の高みに押し上げられて、
「なお、きぃ・・・、すきっ、なのぉ!」
「俺も好きだよ。」
そう自分の素直な気持ちを伝えた後、イってしまった。







行為の後、荒い息を吐きながら、2人肌を寄せ合ったままの状態で抱き合い、お互いの上がってしまった体温を感じていた。
直喜は私の髪をゆっくりと指ですくいながら、
「倖の天邪鬼な所も素直になった時もどっちも可愛いな。」
と照れくさくなるようなことを言ってくる。
「な、何いってるのよっ!」
直喜の言葉に動揺している私に直喜の手は、再び私を高めるために私の体の上を動き出す。
「明日仕事!」
「久しぶりに会って愛を確かめ合ってるのに野暮なこというなよ。」
と、直喜は魅力的な笑顔を見せながら私の口を封じた。
それからの私は、朝方まで直喜に攻め立てられることになり、眠い目をこすりながら仕事をすることになる。



いつも直喜には勝てない。
だって、天邪鬼な私から、素直な私を引き出してしまうんだから。



+おわり♪+




お題提供:七瀬はち乃様 





最近書くことが多い気がする直喜×倖のお話です。
相変わらずの2人ですが、この2人はこのまま変わらないんだろうなぁと思いながらいつも書いてたりします(笑)
その方がらしいかなと。
不定期更新な話ですが、これからもよろしくお願いします。
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