彼と彼女の攻防十戦

お題  1

「あんたなんかだいっ嫌いっ!」

この言葉は俺が倖と付き合う前によく言われていた言葉だ。
付き合いだしてからも同じようなことは言われているが、付き合う前よりも減っているかな。
初めて倖に会った時、−何だこの女?−と思ったのが正直な気持ちだった。
それが今じゃ離すことが出来ないほど惚れている俺。
本当、こんなに倖ことが好きになるなんて人生というのは分からないもんだ。










倖は自分の気持ちを正直に言わない天邪鬼な所がある。
しかも鈍感だったりするから、付き合うまでの間俺は、倖に対してイライラすることがあった。
普通気づくだろと思う俺のアプローチも倖はまったく気づくことがなく、何でもないことのように返事を返してきていたからだ。
それも、その時の倖は俺のことが『だいっ嫌い』だったから仕方ないのかも知れないが。
俺のアプローチのやり方も、好きな子をいじめるガキのやり方だったしな。
もう少し上手にアプローチ出来なかったのか自分のことが恥ずかしくもなるが、あの時の自分は必死だったんだと思う。
倖の気持ちを自分の方に向けるのに。






付き合う切っ掛けになったあの日、倖にいつものように領収書を持って行った日。
「どうでしょうねぇー。私にだって食事に誘ってくれる男の1人や2人いるからねー。」
倖の口から出た言葉に動揺してしまった俺。
嘘だとすぐに分かる言葉に動揺してしまった俺は、親友の克己を連れて、倖が行くだろう場所の情報を掴んで向かった。
倖に男がいないのは分かっていた。
でも、同僚の奴の中に倖のことが可愛いとか付き合いたいと言っている奴がいることを俺は知っていた。
倖が俺のことを嫌いだというのは分かっている。
自分が不利な状況だということも。
でも、時折見せる倖の表情・・・。
その表情は俺のことを『だいっ嫌い』と行った時に見せる一瞬の表情。

倖?お前も俺のことが好きなのか?

そう思わせる表情をする倖に、自分が嫌われていると自覚がある俺は、
そんなはずはないよな。
と思いなおし、倖に自分の気持ちを伝えることも、確認出来ない情けない俺。
こんなに情けない奴だったのか俺は。
いや、倖にだけだこんなに情けない奴になるのは。
そんな自分を人前で見せることはないが、倖を前にすると今まで出会ったことのない自分がいることを知った。
それが、人を好きになるということなんだろうか。
そんな情けない自分を知っても、俺は倖をあきらめることは出来ない。

じゃ、俺はどうしたらいい?
倖を俺の物にするためには・・・。








「帰る。」
倖がガタンッと大きな音を立て急に立ち上がり、店から出て行ってしまった。
「さて、これからどうするのかしら?私の親友を大切にしてくれるっていうんだったら、このまま任せたいとこだけど。そうじゃないんだったら、ここは、私の出番かしら?」
倖の親友で、今は克己の彼女の武藤さんが俺に言ってきたが、この後俺がどうするか分かっているような口ぶりだった。
武藤さんの考えている通りの行動をするのは癪だったが、倖を俺の物にするには、今しかないというのが分かっている俺は、
「もちろんここは、俺の出番だろ?やっと来た出番だから誰にも邪魔はさせねぇよ。」
そう言って倖が忘れていったバッグを掴んで倖の後を追いかけた。














「はー、お腹いっぱい。」
「まーまーだったな。」
「素直に私が作ったご飯がおいしかったって言えばいいのに。」
「褒めてるだろ?」
「褒めてないしっ!」
「じゃ、お礼は身体で払うということで。」
そう言って俺は倖を床に押し倒した。
「結構ですっ!」
そう言う倖の焦った顔を見ながら、かわいいと思ってしまう俺はかなり倖に溺れているのかもしれない。
でも、そんな自分は嫌ではないし、結構気に入っている。
自分が欲しいと思ってやっと手に入れた大事な人。
この先も離すつもりは毛頭ない。
倖が俺から離れていくのを許すつもりもない。
そんな俺の気持ちを知ったら倖はどう思うだろう。
でも、今の所この気持ちを倖に話すつもりはないので、そんなことを考えても仕方がないんだが。







「んっ!やぁ・・そこ、やぁっ」
「ん?何が嫌なんだ?すごく気持ちよさそうにしてるけど。
ほら、倖の腰勝手に動いてるぞ。いやらしいな倖は。」
「しら・・・ないっ!もう、早くっ!」
倖に求められ、自分も限界だった俺は、ゆっくりと倖の中に侵入していった。
中に自分の物を侵入させると、温かい倖の中は、俺を包み込むように心地よい締め付けをくれる。
そんな倖の動きに気持ちよくなりながら、自分だけではなく倖も気持ちよくさせ、その声を聞くために俺は倖が感じる所を狙いながら動きだした。
「はぁぁんっ・・・、あぁぁ!」
「気持ちいいのか?」
「う・・・んっ、気持ち・・・いいのぉ」
「じゃ、もっと気持ちよくならないとな。」
「は・・・あ、・・・・直喜っ」
倖の口から漏れる喘ぎ声が俺を興奮させる。
倖は俺に腕を回し、強く抱きついてくる。
「あっあっ、もう・・・イクっ!」
そう言って倖はイってしまったが、まだイっていない俺は自分もイクべく、弛緩して余韻が残る身体を激しく揺さぶった。







「直喜、好き・・・。」
そう言って俺の胸に入りこんできた倖。
余韻が残ってボーっとしている倖の口からでた言葉。
普段の倖からは聞くことは出来ない。
天邪鬼な倖は、口で言うことがなくても目で俺に気持ちを伝えてくる。
追いかけて追いかけて倖は俺の物になった倖。
今も追いかけているようなものかもしれない。
でも前と違うのは、倖が俺を追いかけてくれること。
いつまでも、この追いかけられて追いかけるのを続けていれば俺達は仲良くやっていけるのかもしれないな。



+おわり♪+


お題提供:七瀬はち乃様 







直喜×倖でお題に挑戦(笑)
初めての男性視点を書いてみましたがいかがでしょう?
私は男性ではないので、男性の気持ちを表現できているのか不安な所ですが、その点に関しての突っ込みはなしということで(笑)
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