嫌い嫌いも好きのうち

ふーん、いつも倖が話してるでか男の佐藤君はどんな人かと思ってたら、いい男じゃない。」
奈々枝は、にっこり笑いながら佐藤を観察している。
「何いってんのよ、ただのでか男だっての。」
という私に佐藤が、
「お子ちゃまには俺の良さがわかんないかなぁー。お前の友達はわかってるみたいなのにな。」
と、奈々枝を見ながら言っている


ふーんだ、どうせわかんないわよ私には。


そんな2人を無視して、神崎君と話をすることにした。





神崎君も営業で、佐藤とトップを争うこれまた出世頭と言われている。
身長も佐藤と同じぐらい高いが、落ち着いた感じで、同じ歳とは思えない人だ。
あんまり話をするタイプではないようで、同期で行く飲み会でも、実はあまり話しをしたことがなかったりする。
「神崎君も大変だよね、佐藤のお守りで飲みに付き合ってるんでしょ?」
と笑いながら言うと、
「そうだな、佐藤がどうしても今日ここに来たいっていって引っ張ってこられたからな、お守りみたいなもんかな。」
と、佐藤と違った大人の色気が漂うような笑いで言った。


うーん、同じ男でどうしてこうも違うかな。佐藤もいい加減落ち着いた感じの男になれっての。


そんなことを考えていると、奈々枝が、
「そっか、倖が誰と会うのか気になったのかしらね、誰かさんは。
倖はおとぼけさんだから、はっきり言わないとわかんないと思うけどな。」
「助言ありがとう。まーそろそろはっきりさせようとは思ってた所だから、早めにすませることにするよ。初めて会った君にわかるのに、当の本人はまったく気づかないというのもどうかと思うけど。」
「そこが、良い所なのよ。まーいつも話されるのは、同じ人のことだったから早く気持ちに気づけばいいのにって思ってたけど、まだみたいよ?
まっこれからの頑張り次第なんだとは思うけど。」
と、佐藤と分けわかんない会話を始めだした。






なんなのよ、佐藤もいくら初めて奈々枝と会ったからってそんな愛想よくしなくていいんじゃないの?


私にはそんな愛想よくしたことないくせに・・・。
何かいつもの佐藤じゃない気がする・・・。
ん?何考えてんだ私は。
別に佐藤が誰にどんな顔しようがいいじゃない。
あれ、なんか佐藤と奈々枝が話してるの見るの嫌かも?うーん、わからん。


正直この歳まで付き合ったことのない私には、今自分の中に起こっているどす黒いグルグルした気持ち悪いのかイライラしているのかわからない気持ちがどういうものなのか、わかっていなかった。






そんな、私の様子をよそに、佐藤と奈々枝の話は続いているようだった。


なんか、楽しそうじゃない?なに2人だけで話してんの?
あれ?どんどんどす黒いものが私の心の中に溜まってきてるような気がする。
なに?これ。何か変じゃない私・・・。


そんな今まで感じたことない感情が、私の中に生まれてくることに耐えられなくなってきた私は、ガタンっと大きな音を立てて立ち上がってしまった。
そんな私の様子にビックリしたのか、今まで話しをしていた2人が、私を見た。
「倖?」
と奈々枝が話しかけてきたけど、なんだか落ち着かなくなってしまった私は、
「帰る。」
と言ったと同時に席を離れた。


なんで、帰ってんの?せっかく奈々枝と久しぶりにあったんじゃない。


どす黒いものが、どんどん大きくなってきている気がして、落ち着かない気持ちのまま店の外に出ていた。






「さて、これからどうするのかしら?私の親友を大切にしてくれるっていうんだったら、このまま任せたいとこだけど。そうじゃないんだったら、ここは、私の出番かしら?」
と佐藤に向かって奈々枝がいうと、
「もちろんここは、俺の出番だろ?やっと来た出番だから誰にも邪魔はさせねぇよ。」
と言ったかと思うと、佐藤は、倖が忘れていったバックを掴み、奈々枝にウインクしながら出て行った。




「まったく、お騒がせな2人ね。神崎君このまま2人がうまくいくか、いかないか賭ける?」
と、奈々枝が今まで静かに飲んでた神崎に笑いながらいうと、
「賭けになるのか?どうせ同じ答えなんだろ?」と神埼も落ち着いた先ほどの笑顔を奈々枝に返してきた。
「そうよねぇー。賭けにならないか。じゃー残された者同士飲みますか。」
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