嫌い嫌いの好きのうち

そんなこんなで、入社式も無事?に終わり、明日からの1週間ある新人研修について説明が始まった。








「では、明日から皆さん新人研修が始まりますが、1週間の研修の最終日に配属先を発表したいと思います。研修の間は、グループで動いてもらいます。皆さんに渡した用紙に書いてあるグループに今から別れてもらいますので、呼ばれた人から前に出て来て下さい。」
説明が終わり、次々に名前が呼ばれ、グループごとに別れていっていた。
グループかー。ちょっと緊張するなー。と思いながら、グループ表を見ていると、
「今井さん」
と私の名前が呼ばれ、私は「はい」と返事しながら、私の入るグループが集まる場所に移動した。


一緒に1週間過ごす人達なんだから、仲良くしないとね。


そう思いながら笑顔でいると、
「お子ちゃまは、同期だったんだなぁ。しかも、目立ってたしな。」と、またもや、人を馬鹿にした笑った顔で近づいてくる男がいた。


あーっ、何であいつが近づいてくんのよー!もうこれ以上関わりたくないのにー!


そんな私の考えを知ってか知らずか、隣に立ったあいつは、私の頭をポンポンと叩きながら、
「同じグループみたいだぜ。よろしくな、お・子・ち・ゃ・ま。」
と、子供を相手に話をするように言ってきた。


なんだと!


言い返えそうとするが、150cm対約180cmではおもいっきり見下ろされてしまっている。
しかし、ここで負けるわけにはいかないっ、と思い、背伸びしながら大きな瞳でおもいっきり睨み、
「お子ちゃまじゃないわよ!今井倖という立派な名前の22歳よ!人を子供扱いしないでよね、このでか男!」
と、言ってやった!
すると、
「そんな意気込んでもお子ちゃまにしか見えねぇんだよ。
おまえ、歳相応に見られたことねえだろ?それと俺はでか男じゃなくて、佐藤直喜様って言うんだ。
歳はお子ちゃまと同じ22歳だ、よく覚えとけよ。」
と、私の睨みの効果もなかったように人を小馬鹿にした顔で言ってきた。


どうせ私は童顔よっ、年相応に見られたことなんかないわよっ。


と思ったところで、これ以上話しても、子供扱いされるだけだと思い無視することに決めた。


もう、なんでこんな奴と1週間も一緒に研修しないといけないのよー!








ふー、今思い出しても怒りが込み上げてくるわよ。




あの、悪夢のような研修が終わり、私は経理に配属された。
今は2年目ということもあり、仕事にもなれ、1つのことを除けば充実した毎日だ。
その1つのことと言うと、あのでか男のことだ。
でか男こと佐藤は、営業に配属され、営業成績もむかつくがいいようだ。
私の会社は、分譲マンションを建てて、売るのを専門にした会社だ。
最近は、マンションを買う人が多くなっているが、営業競争も激しい。その中でも、佐藤は営業の中でもトップクラスで、出世頭と噂されている。


まーアイツが出世頭だからって、私には関係ないんだけどね。


私に関係があることといえば、アイツの仕事ぶりに迷惑を被っていることだ。
「おい、今井、この領収書頼むわ。」
と、営業帰りの佐藤が私の所にやってきた。


きたぞー、また無理な領収書じゃないでしょうねー。
と思いながら、領収書を見ると、いつものように、どうやって処理しろってーっ。


と言いたくなるような領収書だった。




「なんなのよこの領収書は!こんな領収書じゃ受領できないっての!」
私は、佐藤に向かっていつものように怒鳴っていた。
すると佐藤は、またかという顔をしながら、
「なんで駄目なんだよ、全然大丈夫じゃねーか。お前が駄目だと思うんだったら、何とかするのがお前の仕事だろ?
まさか、お子ちゃまは処理の仕方もわかんないんじぁないだろうな。」「はー、何いってんのよ!処理の仕方ぐらいわかってるに決まってるでしょ!
こんなの私に掛かれば処理できる領収書なんだからね、でか男!」
と、負けじと言うと、佐藤はしてやったりというような顔で、
「じゃー、任せたからな。まーお礼に飯でも連れてってやるよ。」
と佐藤は言った。


えーん、今日もでか男の口車に乗せられてしまったー。くやしいよー。


「でか男に連れてってもらいたくないっての!あんたなんかだいっ嫌い!」
と、負け惜しみのように聞こえてしまうかもしれない、いつもの台詞を佐藤に向かって言った。
すると、佐藤は、
「本当に可愛げねーなーお子ちゃまは。素直に誘ってくれてうれしいわ、ぐらい言ってみろよ。俺と食事行きたいって奴はいっぱいいる中で誘ってやってんのによ。」
と、言ってのけた。
「はぁー、誰も頼んでないっての。そのいっぱいいる人達と行きなさいよね。それに私は、今日すでに予定が入ってるからどっちにしても佐藤なんかと食事なんかいけないっての。」
と、佐藤から押し付けられた領収書を握り潰しながら言った。
すると佐藤が、顔をしかめながら「男か?」と聞いてきた。
「どうでしょうねぇー。私にだって食事に誘ってくれる男性の1人や2人いるからねー。」
ふふーんと佐藤を見ながら言った。


本当は女友達と行くんだけどね。
空しくなってしまうことを言ってしまたが、ここでばれる訳にはいかないわ。
ばれたらまた嫌味言われちゃう。


「まーまー、そんないもしない男のことを話すんじゃねーよ。どうせ女友達となんだろ?
わかってたけどわざと聞いてみただけなのにな。」
とまたもや、にやりと笑いながら言ってきた。


うっと、図星を付かれ私は言葉が詰まってしまった。


しかし、天邪鬼な私は、たとえ図星を付かれても素直に認めることができずに、
「なんで女友達って言い切るのよ、男と行くに決まってんでしょ?今日はデートなんだから早く帰んないといけないの。いつまでも佐藤の相手なんてしてる暇はないんだからね。さっさと仕事に戻んなさいよ。」
と、佐藤にシッシッと手を振りながら言った。
「へー、それなら数少ないお前を相手してくれる奇特な奴を待たせるなよ。じゃー、領収書よろしくな。」
と、ドアに向かいながら腕を上げて手を振りながら言って去っていった。






はー、何であんなこと言ったんだか。彼氏がいないことなんてすぐばれるってのに。
また何といわれるか。
この天邪鬼な性格がいけないのね。
まーとりあえず、食事に行くのは本当なんだから、早いとここの領収書を処理しなくちゃね。


気持ちを切り替え領収書処理に掛かると、今年入社した絵里ちゃんが、「倖さん。佐藤さんと仲いいんですね。いいなぁー、私も食事に誘ってもらいたーい。」
とお祈りポーズでうっとりしながら言ってきた。


確かに佐藤はモテル。パッと見は確かにカッコいい部類に入ると思う。でも、あんな俺様な奴とは、私はごめんだわ。


そんな私をよそに絵里ちゃんは、まだ「いいな、いいな」と羨ましそうに私の傍で言い続けていた。
「佐藤とは同期だから、面倒なことばかりさせられてるだけで、仲良しなんかじゃないわよ。」と言うと、
「そうですかねー。佐藤さんはいつも倖さんの所にしかいかないから、
みんな羨ましがってるんですよー。」と絵里ちゃんは話を続けてきた。


もういいっての、佐藤の話なんて。


とうんざりしながら絵里ちゃんの話を聞いていた。
「絵里ちゃん、もうその話はいいから仕事しようね。」
と笑顔で言いながら、仕事を始めると、絵里ちゃんも、ブツブツ言いながら自分の席に戻って行った。




今日は疲れる日だわ。早く仕事終わらせて帰ろうっと。
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