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潤一郎先生の戸締りが終わり、家までの道のりを夢と愛を私と潤一郎先生

の間に挟んだようにして私が夢と、潤一郎先生が愛と手をつなぎ帰った。

家までの帰り道、潤一郎先生と何を話したらよいのかわからず、潤一郎

先生は食べ物で何が好きなのか、保育園の仕事についてなどを聞いて

みたり、保育園での夢と愛の様子を聞いてみたりと、他愛もないこと

を話すことしかできなかった。


何か気が利いたこと話せたらいいのに、何にも話せてない。

一緒に家までの道のりを歩いていることに緊張してしまって、愛と夢

がいてくれなかったら、無言で過ごしちゃいそう。


私の緊張なんか気付く様子もなく、潤一郎先生はいつもとかわらず、

ニコニコしながら話をしてくれている。

夢と愛は、私の手助けで潤一郎先生を誘ってくれたけど、自分たちも

潤一郎先生のことが大好きだから、嬉しそうにしている。



どうにかこうにか家まで帰り着き、潤一郎先生をリビングまで案内し、

コーヒーを出してご飯が出来るまで待ってもらうことにした。

「じゅんいちろう、ごはんできるまでいっしょにあそぼうよ。」

「おれのおもちゃもってきてやるよ。」

「えー、おもちゃよりえほんよんでじゅんいちろう〜。」

「おもちゃであそぶんだよっ。」

夢と愛はお互いの意見を譲るつもりはないようで、本・おもちゃと

言い合っている。



「こーら、仲良くしないとだめでしょ?」

私が2人に腰に手を当てながら言うと、2人が

「「だって〜。」」

と仲良くハモリながら私の方を見た。

そんな私達の様子を見ていた潤一郎先生がクスクス笑いながら、

「じゃ、最初に絵本を読んでその後みんなでおもちゃで遊ぶという

のはどうですか?」

と、夢と愛に言った。

潤一郎先生の提案に2人は、

「「そうしよう!」」

と嬉しそうに手をハーイと上げながら答えた。

「すいません、夕飯を誘ったのに2人と遊んでもらうなんて。」

「いいんですよ。夢君も愛ちゃんもかわいいから、一緒に遊んでいても

僕も楽しいですしね。」

潤一郎先生はふんわり優しい笑顔で言った。


潤一郎先生優しいなぁ。それに大好きな笑顔まで見られたし、家に来て

もらってラッキーだったかも。

今日をきっかけにもっと潤一郎先生と仲良くなりたいな。


「すぐ夕飯作りますね。」

「すいません、ご好意に甘えてお邪魔しちゃって。」

「そんな。私達が誘ったんですから気にしないで下さい。」

「そうだよじゅんいちろう。まことちゃんのつくるごはん

おいしいんだからたべなきゃもったいないよ。」

「そーだぞ、きょうははながためだまやきまでつくんだからおいしいぞ。」

「僕にも花形目玉焼きつけてくれるんですか?」

「子供みたいな料理嫌ですよね?」

「そんなことありませんよ。つけてもらえるならうれしいですよ。」

「そうですか?じゃつけちゃおうかな。待ってて下さいねっ。」

私は笑顔で言いながら、台所へ向かった。


潤一郎先生うれしいだってっ。おいしいって言ってもらえるように

頑張らなくっちゃっ!



「ねえねえじゅんいちろう、いまかのじょいるの?」

「急な質問ですね。」

「だいじなことなんだからおしえろよ。」

「僕に彼女がいるかどうかはたいしたことではないと思いますが、

今は彼女いませんよ。好きな人はいますけどね。」

「「すきなひとっ!?」」

夢と愛はビックリ顔になり、正座をしている潤一郎の膝の上に手をつき、

「「だれっ!?」」

と、いきよいよく聞いた。

「それはナイショです。」

潤一郎は人差し指を唇につけて言った。



夢と愛は潤一郎から離れ、2人でコソコソと話を始めた。

「じゅんいちろうすきなひとがいるって。」

「だれだろ?まことちゃんにこんなこといえないよな。」

「そうだよ。でも、まことちゃんのごはんおいしいからたべたら

まことちゃんのことすきになるかも。」

「そうだな。まことちゃんかわいいしやさしいからすきになるよきっと。」

「そうだよねっ。」

「そうだよっ。」

夢と愛はにっこり笑い合ったあと潤一郎の所に戻り、

「「じゅんいちろうあそぼ。」」

と笑顔で言った。

「じゃ、夕飯ができるまで遊びましょうか。」

潤一郎の言葉にうなずきながら2人は、どうやったら潤一郎が

真琴を好きになるのかを考えていた。





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