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潤一郎さんに自分の正直な気持ちを伝えようと決めた放課後、私は

いつものように夢と愛を保育園に迎えに行った。

保育園に行けば潤一郎さんにも会えるし、家に夕飯を食べに来て

もらってその時でも、ゆっくり話をすればいいかなと思っていた。

保育園へ向かうまでの私の心臓は、告白を決心した時と同じように

ドキドキしていた。





保育園に着き、夢と愛がいる教室へ向かうと、いつものように

夢と愛がパタパタと走ってきて、私に抱きついてきた。

いつもと違ったのは、2人から出た言葉だけだった。

「まことちゃん、じゅんいちろうぐあいわるいんだってさ。」

「そうだよ、きょうとちゅうでかえっちゃったもん。」


え?潤一郎さんが具合悪くて帰っちゃった?


2人が言った言葉に驚いてしまい、聞き返すと、

「うん、じゅんいちろうかえっちゃったよ。きつそうにしてたもん。

な、愛。」

「そうだね、じゅんいちろうきつそうにしてたね。」


潤一郎さんがきつそうにしてたって・・・。

潤一郎さん1人暮らしだよね、大丈夫かな?

心配になってきちゃったよ。


私は、夢と愛の言葉を聞いて、潤一郎さんの身体の状態が心配で

たまらなくなってしまった。

潤一郎さんがきつそうにしているなんて話を聞いたら、落ち着かなく

なってしまい、今日潤一郎さんに自分の正直な気持ちを伝えようと思って

いたことも、頭の中から吹き飛んでしまっていた。


潤一郎さん、病気の時に1人でいるなんて心細いよねきっと。

よしっ!潤一郎さんの家に行って、看病してあげよう。


そう決めた私は、潤一郎さんの家までの道順を園長先生に聞いて、早足で

夢と愛を連れて家まで帰った。

家まで早足で帰ってる時夢と愛が、

「「まことちゃんあるくのはやいよぉ〜。」」

と、言ってたけど今日は、早く潤一郎さんの所に行かなくちゃという思いが

強くて、2人の歩くスピードに合わせてあげるこができなかった。





家に着いて、お姉ちゃんに早く帰ってきて欲しいと連絡をした後、夕飯を

急いで作り出した。

夕飯を作っていると、お姉ちゃんが帰ってきた。

「ただいま〜、潤一郎先生調子悪いんだって?」

「そうみたいなの。

潤一郎さん1人暮らしだしだから、看病に行こうと思って。

仕事中電話しちゃってごめんね。」

「それは全然いいわよ。それよりどんな様子なの?」

「それが、全然わかんないの。だから、早く潤一郎さんの家に行ってみようと

思って。お姉ちゃんたちの夕飯もできたことだし。」

「私達の夕飯はどうにでもなったのに。でも、ありがと。」

「じゃ今から行ってくるね。」

「いってらっしゃい。調子悪いなら大丈夫だと思うけど、襲われない

ようにね。」

お姉ちゃんはニヤニヤしながら言った。

「もうこんな時に何言ってるのよっ。そんなはずないでしょっ。」

私はそう言って、潤一郎さんの家で料理が出来るように材料を持って

玄関へ急いだ。



「まことちゃん、じゅんいちろうのところにいくの?」

夢が玄関で靴を履こうとしている私の所に来て、聞いてきた。

「そうだよ。潤一郎さん調子悪いみたいだからね。

夕飯作ったから、お姉ちゃんと一緒に食べといてね。」

そう言うと、夢と一緒に来ていた愛が、

「まことちゃんとわたしもいっしょにいく〜。」

と、言ってきた。

「愛も潤一郎さんのことが心配なんだね。でも、今日は連れて行って

あげれないの。

潤一郎さんもきつくて寝てるから、それを邪魔しちゃったら悪いでしょ?

だから、潤一郎さんには愛がすっごく心配してたって伝えておくから今日は

我慢してね。」

私がそう言うと、愛はほっぺを膨らませていた。

そんな愛のほっぺを夢が突きながら、愛にニッコリ笑いながら話しかけた。

「きょうはしかたいだろ?まことちゃんがじゅんいちろうにあいのことは

いってくれるってさ。だから、まことちゃんがつくってくれたごはんたべてよ。」

夢の言葉を聞いた愛は膨らませていたほっぺを元通りにして、

うん、とうなずいた。

私は夢と愛に笑いかけながら、

「じゃ、いってくるね。」

と、言って、家を出た。





潤一郎さんの家を、園長先生から貰った地図を元に何とか探すことが

できた

私は、今、潤一郎さんの住んでいるマンションの家の前に立っている。

でも、潤一郎さんのマンションはオートロックみたいで、潤一郎さんの

部屋番号を押すのはなれない動作なので、ドキドキしてしまった。

何とか部屋番号を押して返事を待っていると、インターホンから返事を

したのは、女の人の声だった。





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