-15-



潤一郎先生、いや潤一郎と別れて夢と愛を連れて、夕飯の買い物を

するためにスーパーに向かうことにした。

スーパーまでの道のりの間、潤一郎先生のことを潤一郎と呼ぶことが

できるなんてと感動してしまい、歩きながらも潤一郎と声に出して

呼ぶ練習をしてしまった。


潤一郎って呼べるようになるなんて思ってもなかったのにな。

それが、潤一郎って呼んでいいって本人から言われちゃって、

私ってなんて幸せ者なのっ。

でも、年下の私が呼び捨てっていうのも落ち着かないなぁ。

ここはやっぱり、潤一郎さんって呼ぶべきかしら?


そう思い、今まで潤一郎と呼ぶ練習をしていたけど、潤一郎さん

と呼んで練習すると、呼び捨てしていた時よりも、なんだか

しっくりした気がした。


よしっ!

やっぱり潤一郎さんと呼ぶことにしようっ!!


自分の考えがまとまったことに満足し、思わずふんふんっと鼻歌を

鳴らしてしまっていた。



そんな私に夢と愛が、私の腰の辺りをポンポンと叩いて話しかけて

きた。

「まことちゃん、うれしいのはわかるけど、みちばたではなうたは

どうかとおもうぞおれは。」

「そうだよねぇ〜。

ニヤニヤしてあるいてるひとがはなうたうたいだしたらちょっと

こわいよねぇ〜。」

「そんなに変だった?私。」

「「うんっ、へん!」」

「そんな声を揃えて言わなくても・・・。」


そんなに変?

まー、確かに怪しいわよね。


私は2人に言われた言葉にうな垂れてしまった。

とりあえず、変な人にならないよう鼻歌を止め、大人しく歩くことに

したんだけど、やっぱり顔のにやけはすぐには取れるはずもなく、

何度顔を引き締めても、知らず知らずの内ににやけてしまっている

私がいた。

そんな私に夢はワザとらしく大きな溜め息をつきながら言った。

「まことちゃん、にやけすぎだよ。」

「そんなことないわよ。」

「まー、まことちゃんがしあわせならいいけどね。

いつもまことちゃんにはおせわになってるしさ。」


時々夢ってしっかりした言葉が出てくるのよねぇ。

最近の子供って・・・。

でも、いつもは可愛いからいいんだけどね。


夢の言葉に驚きつつも、夢に自分の気持を伝えた。

「どうしても今日は顔がにやけちゃうんだもん。

今日だけだから許してね。」

「しょうがないなぁ、きょうだけだぞ。」

「うんうん、今日だけ今日だけ。」

私はそう言って夢と愛の手を取り、にやけ顔のままスーパーまで

スキップしてしまう勢いで歩いていた。





スーパーでの買い物も終わり、早速潤一郎さんのリクエストだった

肉じゃがを作り始めることにした。


肉じゃがだけじゃ寂しいから、茶碗蒸しも作っちゃおうかな?

夢と愛に聞いてみよう。

私はそう思い、台所から夢と愛のいるリビングまで行き、

茶碗蒸しを食べるか聞いてみた。

「ねー2人共、茶碗蒸し食べる?肉じゃがと一緒に作ろうと思う

んだけど。」

すると2人は今まで座って遊んでいたのに立ち上がり飛び跳ねながら

「「たべるっ!たべるっ!!」」

と言った。

「わーい、ちゃわんむし〜!ひさしぶりだねまことちゃん。はやく

たべた〜いっ。」

夢が言うと、愛も同じように、言った。

「あいもたべた〜いっ!はやくつくってまことちゃんっ。」

そんな2人の姿が可愛くて、思わずクスクスって笑ってしまった。


本当可愛いな〜2人共。

2人がこんなに喜んでくれてるし、潤一郎さんにも食べてもらいたいし、

頑張って茶碗蒸し作るぞっ。


そう思って、2人に茶碗蒸しを急いで作ることを伝え、私は台所に

戻った。

そんな私の後ろで、夢と愛が茶碗蒸し、茶碗蒸し、と言いながらまだ

飛び跳ねていた。





Novel

Next

Back




検索サイトから来られた方は、 こちら からTOPへどうぞ。