彼女と彼氏の事情


2.第2次遭遇


今日は土曜日。学校は休みだ。
今日は学校に行って仕事をするようなことはない。
久しぶりにゆっくり過ごせる土曜日。
昨日の出来事ですっかり身も心も疲れていた私は、目が覚めた後も布団から出ることなくゴロゴロしていた。

あの男のせいで、昨日は大変な目にあったわよ。
今日は1日ゴロゴロして、身体を休めて嫌なことを忘れなくちゃ。

そう思っていると、瞼が再び閉じそうになったので、そのまま睡魔に任せて眠ろうとすると家のチャイムが鳴った。
居留守を使ってしまおうと思い、チャイムを無視して布団を深くかぶり眠ってしまおうと思っていたが、一向にチャイムが鳴り止むことがなく、私の睡眠を邪魔しようとしているとしか思えないほど鳴り続けている。

まったく誰よっ、人の眠りを邪魔するのはっ!
こんな朝から訪ねてくるような友達はいないし、宅配便にしても鳴らしすぎだし。
わかったわよ、出ればいいんでしょっ出ればっ!!

チャイムが鳴り止まないことに怒りを覚えながらも、玄関へ向かった。





玄関を開けると、今一番出会いたくなかった男がニッコリ笑いながら立っていた。
「おはよー梨佳子。」

なんでこいつがいるのよっ!
しかも何で私の家を知ってるのよっ!!
もう2度と会いたくなかったのにっ!!

今一番会いたくない男『コウ』、本名道下 孝蔵というらしい男が何故私の家の玄関にいるのか驚きながらも、2度と会いたくないと思っている男の顔を見るのが嫌で、急いで玄関のドアを閉めようとしたが、男が両手でドアを掴み、途中でドアが閉まるのを止めてしまった。
私はそれでも何とかドアを閉めようとしたが、男の力に女の力が敵うはずもなく、お互いドアを引っ張りあった結果私が力負けしてしまい、力が抜けてしまった時勢いよくドアを開けられた。
その反動で身体がよろけて、男の胸の中に倒れこんでしまった。
すぐに離れようとしたが、男が私の身体を抱きしめてしまい、離れることが出来なかった。
抗議しようと顔を上げると、男はニヤニヤしながら私の顔を見ているその顔にカチンとして、男の顔を睨みながら言った。
「何笑ってるのよっ!早く離しなさいっ!!
大体なんであなたがここにいるのよっ!!」
「まだあなたなんて言ってるのか?昨日教えただろ。俺の名前は道下孝蔵だって。梨佳子は先生なのに記憶力が悪いのか?」
「記憶力が悪いはずないでしょうがっ。わざわざあなたのことを名前で呼ぶ必要がないと思っているからよっ!いいから早く離しなさっ!!」
「まったく、なんでそんなに喧嘩ごしになるかな。
そんな喧嘩ごしだったら、ゆっくり話ができないだろ?」
「誰がそうさせてるのよっ。」
「梨佳子が勝手に怒ってるだけだろ?それを人のせいにするのはよくないんじゃないか?
それに、俺の名前をきちんと呼ばないと、いつまでもこのままだからな。
廊下で騒いでるんだから、そろそろ近所の人達が何事かと見にくるんじゃないのか?俺はかまわないけどな。恋人同士の痴話げんかと思われるだけだろうし。どうする?梨佳子。」
男は私を抱きしめたままあの悪魔のような微笑で私を見ながら言った。
私は悔しく思いながらも、近所の人にこんな姿を見せるわけにもいかないと思い、嫌々ながらも男のことを名前で呼ぶことにした。
「わかったわよっ!道下さんって呼べばいいんでしょっ。」
「違うな。孝蔵だよ梨佳子。」
「何で下の名前なんかで呼ばないといけないのよっ。」
「俺は別にいいけど、このままでも。」
「っ、わかったわよっ!孝蔵って呼べばいいんでしょっ!!
孝蔵、早くこの手を離してっ。」
男のことを名前で呼ぶと、そのことに満足したような顔をしながら、私を抱いていた腕を緩めた。
男が腕を緩めたと同時に、男の腕の中から素早く離れる。

やっと離れられた。
この隙に部屋に入ってしまおう。

そう思いドアを掴み中に入ろうとすると、私の行動がわかっていたかのように部屋の中に入ろうとする私の後ろから身体を押し付けてきて、一緒に部屋の中に入ってしまった。

なんで一緒に部屋に入ってるのよ、この男はっ!!

男の行動に驚きながら、玄関から部屋に上がり男の顔を見て言った。
「何で一緒に入ってきてるのよあなたはっ!」
「またあなたって言ってるぞ梨佳子。」
「外にいないんだからあなたのこと名前で呼ぶ必要なんかないでしょっ。」
「そういうこと言うんだ里佳子は。別にいいんだぜ、また外に出ても。」
「っ、なんてこというのよっ。わかったわよっ!孝蔵。
これでいいんでしょっ!!」
私は投げやりになりながら男のことを、孝蔵と呼んでいた。
すると、孝蔵は私の返答に満足したのか、ニッコリ笑っている。

なんで、こいつを満足させないといけないのよっ!

私の中に沸き起こってくる怒りに気付いているはずなのに、気にする様子もなく、話しかけてきた。
「梨佳子が名前を呼ぶこともできるようになったし。じゃ、出かけるか。」
「は?」
「は?じゃないだろ。何のために俺がわざわざ来たと思ってるんだ?」
「そうよ!何で私の家知ってるのよっ!!」
「珠代さんが教えてくれたんだよ。聞いたら嬉しそうにすぐ教えてくれたぜ。」

有田先生っ、なんでこいつに教えるんですかっ!
今度あったら文句言ってやるっ!!

孝蔵の告白にうな垂れながら、有田先生への怒りがふつふつと湧き起こっていた。
そんな私に再び出かけることを孝蔵が話しかけてくる。
「だから何で、孝蔵と出かけないといけないのよ。」
「それは、俺が出掛けたいからだよ。早く用意しろよ。」
「今日は家でゆっくりするのよわたしは。だから出掛けません。」
「ふーん、そんなこと言うんだ。別にいいけど?また部屋の外で抱き合いたいんだったらそれでも。」
「っ、わかったわよっ、一緒に出掛ければいいんでしょっ。」
「最初からそう素直に言ってればただ出掛けるだけにこんなに時間掛からなかったのになぁ。まったく、梨佳子には困ったもんだ。」
孝蔵はわざとらしく溜め息をつきながら言っている。

なーに言ってんのよ。誰のせいで騒いでたと思ってんのよ。
さっさと出掛けて、すぐに帰れるように仕向けなくちゃ。
何時までもこんな奴に付き合ってなんかいられないわよっ。

そう思い、身支度を整え孝蔵を引き連れて部屋を後にした。













外に出掛けて歩いていたが、私には目的地が分からず聞いてみることにした。
「今からどこに行くのよ。」
「俺観たい映画があるんだよな。だから映画観に行こうと思って。
それにデートに映画は付き物だろ?」
「はー?デートなんかじゃないでしょ?私は孝蔵に無理やりつき合わされてるだけなんですけど。」
「無理やりだなんて響き悪いなぁ。友好的な話し合いの結果出かけることになったんだろ?
それに、男と女がプライベートで出掛けるのはデートなんじゃなの?」
そう言って孝蔵は、私の手をすっと手を伸ばして握ってきた。
「ちょっとっ!手なんか握んなくてもいいでしょっ!!
早く離してよ。」
「いいじゃないか手握るくらい。これも楽しいデート行事というで。」

何で手を握らないといけないのか意味わかりませんっ。
こんな手振りほどいてやるっ!

そう思い私は行動に移るが、しっかり握られている手は振りほどくことができず、私の手は孝蔵の手に握られたままの状態になっていた。
「何してんの?何時までも往生際悪くするんだったら、ここでキスするよ?」
孝蔵はニヤニヤ笑いながら、私の顔に自分の顔を近づけてきた。
その行動に私は焦ってしまい、
「わかったからっ!手は大人しくつなぎますっ。だから顔を近づけないでっ。」
と、自分の顔を孝蔵の顔が近づいてくるのを避けながら言った。
「だから、最初から素直に言えばいいんだよ。」
そう言って孝蔵はニヤついた顔のまま私の顔から自分の顔をゆっくりと離れていった。








どうにか映画館に着き、孝蔵が観たいといっていた映画は今人気のアクション物だった。

あんまりアクション物は好きじゃないんだけどなぁ。
でも、これ以上いろいろ言ってまた変なことされるぐらいだったら、大人しくして早く帰るのが利口ってもんよね。

そう思い、チケットを買うべく列に孝蔵と一緒に並んだ。
チケットを買う順番になり、大人1枚と私が言うと、孝蔵は大学生1枚と言って、学生書を出した。
その学生書を見て、私は孝蔵が学生だということを初めて知り驚いてしまった。

大学生だったの!?
私より年下だったなんてっ。

そんな驚いている私の横で孝蔵が、私の分のチケット代を払っていた。
「いいわよ。自分の分のチケット代ぐらい払うわ。」
「こういう時は、男が払うもんなの。だから、大人しく奢られてればいいんだよ。」
そう言って孝蔵は私の手を引き、食べ物が売っているフロアーに向かった。

奢られてしまった。
しかも大学生に・・・。
って、そうよっ、大学生って!
何で大学生がホストなんかしてるのよっ!!

私は引かれている自分の手を握っている孝蔵の手を自分の方に引き寄せた。
「ん?どうした?」
「ちょっと確認しておきたいんだけど、孝蔵は大学生なのよね。
それなのに何でホストなんかしてるの?」
「ホストはバイト。今1人暮らししてるから金稼がないといけないからな。」
「バイトでホストなんてできるんだ。ところで大学ってどこにいってるの?」
「美大。俺絵を描くのが好きなの。だから美大に行ってるんだ。
本当は行くのいろいろあって諦めてたんだけど、ある人の励ましで行くことにしたんだ。」
「ふーん。意外と真面目な所もあるのね。意外だけど。」
「意外でもないだろ。俺はいつでも真面目だろ?」
「今までの行動のどこが真面目なのよ。誰が見ても非常識なだけでしょうが。」
「俺は自分に正直なだけだよ。自分を我慢させるのを止めたんだ。」

我慢することもしてほしいんですけどね、こちらとしては。

私はそう思い、孝蔵を見たがもちろんそんなこと気付かれるはずもなく、孝蔵はポップコーンとジュースを買っている。
買い終わると孝蔵はジュースを私の分を渡してきて、映画がある館へ向かった。















席は一番後ろで、朝1番の時間のせいか、人は多くはなかった。暗くなり、予告が始まる。
予告を観ていると、孝蔵がポップコーンの入れ物を私に向けた。
「食べれば?朝ご飯も食べてないからお腹空いただろ?」
「どうも。」

誰のせいで食べれなかったと思ってるのよっ。

そう思いながらも、確かにお腹が空いていたので素直にポップコーンを食べてしまう私。
映画も中盤になり、

あんまりアクション物は好きじゃないけど、結構面白いかも。

そんなことを思って映画に集中していると、私の太腿の所がモゾモゾしてきた。
なんだろうと思い見てみると、孝蔵の手が私の太腿の上を触っていた。

何よこの手はっ!

私は孝蔵の手をどけようとすると、私に触れていない手で私の両手の動きを止めてしまった。
そうすると、孝蔵の空いてる方の手が私のスカートの中に入ってきた。
手の動きを止められてしまいどうしようもなくて、この状況を止めさせるため叫ぼうと口を開くとすぐに孝蔵の唇が私の唇に重なってきた。
「んっ!んんっ!!」
孝蔵は舌を絡めてきて、私は不覚にも孝蔵のキスに感じてしまい、頭がボーっとしまった。
「ふぅんっ・・んっ」
孝蔵のキスに翻弄されて、気付くと孝蔵の手は下着の上から私の秘部を触れていた。
その刺激に身体をビクッとさせると、手がさらに動き出し、刺激を与えてくる。
私はその秘部と唇へ与えられる刺激に身体が感じてしまい、思うように身体を動かすことができなくなっていた。
唇から孝蔵の唇が離れ、私の耳を甘噛みしてくる。
「んっ」
私は映画館の中で感じている自分の声を響かせるわけにはいかず、大きな声を出さないようにするために必死になっていた。
孝蔵は私の耳を甘噛みした後、クスッと笑ったかと思うと、秘部を刺激している指の動きを早めてきた。
「はぁ、あぁんっ」
その動きは今まで以上に私に刺激を与え、私は自分の下着が濡れてきているのを感じた。
映画館なんかで感じてしまっている自分に嫌悪感を感じながらも、孝蔵から与えられる快感を身体が欲してしまい、次第にもうどうなってもいいと思いだしている自分がいた。
「はぁぁぁんっ、はぁ」
私の口からは、押えきれない喘ぎが出てしまっていた。
すると、孝蔵が私の耳元で囁いてきた。
「梨佳子感じてるの?映画館なのに?周りの人に聞かれてるよ、梨佳子の感じている声が。」
孝蔵の言葉に周りの状況がどういう状況なのか思い出され、恥ずかしくなり、感じすぎている身体を何とか立ち上がらせ、映画館からフラフラしながら出ていった。







なんてことしちゃったんだろ・・・。
映画館であんなことしちゃうなんて。
しかも、感じちゃってた、私・・・。
あのまま続けていたら、自分から孝蔵を求めてしまってたかも・・・。

映画館から出て、目の前にあった椅子に腰掛けて映画館での自分の行動に落ち込んでいた。
そんな私に、私の後に出てきた孝蔵が、
「あんなに梨佳子が感じてくれるなんて思わなかったよ。
これからが楽しみだな。」
孝蔵の言葉に、映画館の中での自分の行為がまた恥ずかしくなり、この場から離れようと、ベンチから立ち上がって走り去ろうとした。
すると孝蔵は、私の腕を掴んできて、
「梨佳子、俺はお前を逃がすつもりはないんだよ。言っただろ?お前は身も心も俺の物になるって。」
「何言ってるのよっ!あんなことされてそんなことあるわけないでしょっ!!」
「そうかな?本当に嫌だったら、あんなに感じないんじゃないのか?
梨佳子は確かに俺に感じていたんだろ?」
私は孝蔵の言葉に言い返すことができなくなった。

確かに私は孝蔵が与える刺激に感じてしまっていた。
それは紛れもない事実だ。
でも、だからって孝蔵のことを身も心も好きになるなんてことがあるんだろうか?

私は自分の気持ちが分からなくなってしまった。
そして、孝蔵のそばにいる自分が耐えられなくなり、孝蔵の頬を叩き、私の腕を掴んでいる孝蔵の腕の力がゆるんだ隙に、その場を走って逃げ出した。









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