いつもの日常

1話

今日は、仕事が終わったら彼とのデートだ。
付き合って5年。大学2年生からの付き合いだ。
5年も付き合っていると、付き合い始めた頃のドキドキもなくなってくる。
だからといって、彼のことが嫌いになってきているわけでもない。
彼といると、素直な自分がいたりする。
今まで付き合った彼には感じなかったことだ。
でも、贅沢を言えば、いつも同じ日常では寂しい気がする。

「ごめん真菜。遅れた。」
亮輔が走って、待ち合わせの場所で待っている私の所にやってきた。
「後少し遅かったら帰ろうかと思っちゃったよ。」
「そんなこと言うなよ、思ったより仕事長引いてな。」
「では、夕飯は亮輔のおごりということで。」
「わかったよ、奢りましょ。」
そんな会話をしながら、2人歩きながら映画館に向かった。

今日は、ずっと観たいと思っていた映画を観に行くことになっている。
いつもと変わらないデート。
やっぱり今日もいつもと変わらない日常。

亮輔に食事を奢ってもらい、明日はお互い休みということで、
亮輔の部屋に一緒に帰ることになった。

部屋に着いて外の暑さで汗ばんだ身体をすっきりさせようと
交代でお風呂に入ることにした。

「は〜気持ちよかった〜。」
濡れた髪をバスタオルで拭きながら、クーラーの入った
涼しい部屋に帰ってきた。
亮輔は先にお風呂に入り、テレビを観ながらビールを飲んでいた。
「真菜も飲むだろ?」
と、グラスに私の分のビールを注いでくれた。
「やっぱり夏はビールよねぇ〜。」
「ほんとだな。趣味が合いますねぇ真菜さん。」
「合いますねぇ、亮輔さん。」
なんて、ふざけ合いながらビールを飲んでいた。

すると、亮輔が急に真面目な顔になって私のことを見つめた。
「なぁ真菜?俺達付き合って5年たったな。こんなに気の合う彼女なんて
この先いないと思う。俺と結婚してくれないか?
いつまでも真菜と過ごしていきたい。」

突然の亮輔のプロポーズ。
しかも、お風呂上り?
そんなことを思いながらも、私の瞳からは、涙がこぼれてきた。

「おい泣くなよ、嫌なのか?」
亮輔が心配そうに私の顔を見ながら、私の涙を優しく拭ってくれる。
「ううん、これはうれし泣き。私もこの先こんなに気の合う彼氏
なんていないと思う。私もいつまでも亮輔と過ごしていきたい。」
泣き笑いになりながら、私は亮輔のプロポーズに答えた。

すると、亮輔は私に優しくキスをしながら、
「一緒に幸せになろうな。」と言った。
「うん。一緒に幸せになろうね。」
と唇から亮輔が離れていく時に答えた。

「真菜、左手出して。」
亮輔は、私の左手を取り、宝石ケースから指輪を出して、
私の薬指につけてくれた。
「よく似合ってる。」
「ありがとう。」

亮輔がつけてくれた指輪を、目の前にかざしながら見ていると、
「ということで、お互いの愛を確かめ合いましょうか、真菜さん。」
亮輔がかざしていた私の手を握りながら言った。
「そうしましょか、亮輔さん。」
と、答えると、亮輔の唇が、私の唇に重なった。