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「もう、ダメよ。ここは病院なのよ。」
「そうは言っても、これ以上の禁欲生活は辛いものが。」
「今日退院なんだから大人しくしてて!」
私のことをベッドの中に連れ込む城野の身体を押しのけ、ベッドから降りる。




事故から1ヶ月と少し過ぎた今日、城野は無事に退院する。
しばらくは傷が痛むようだったけれど、経過は順調で一安心というところだ。
退院だからと迎えに来たけれど、元気になり出してからは油断すると人のことをベッドの中に引きずりこもうとするから大変だった。
けれど、それも元気だから出来るのだと思えばうれしいといえなくもなかった。
「さて、帰るか。
洸が帰ってきたら退院することを黙っていた意味がないからな。」
「そうね。
じゃ、行きましょうか。」
荷物は玉城がすべて持っていき、何も持つものがない私達は、ナースステーションでの挨拶をすませた後玄関へと向かう。
そこには車が停まっていて、運転手の人が後部座席のドアを開ける。
そのまま乗り込んだ私達は、私への家へと向かった。




城野はこのまま私達と一緒に住むことになっている。
私の気持ちを汲んでくれた城野だったけれど、計画中の仕事を止めるわけにはいかないということで、今はまだはっきりとした建設予定日は決まっていないけれど、私の土地にビルを建てそこに家族で住むことにしたのだった。

店は、思い出深いので残したいと思わないでもなかったけれど、これから家族3人で過ごすのに思い出だけに縛られるわけにはいかないと思い、店は閉めると城野に伝えた。
本当にいいのかと聞かれたけれど、いいのだと伝えている。
運命というのはそんなに多いものではない。
けれど、私はその運命というものに導かれ城野と共に生きることを決めた。
それは、無くしたと思っていた物だから、再び掴んだ運命という絆を大事にしたかった。














車は無事家へと到着し、私達は家の前で車から降りた。
すると、
「パパ!」
と元気に声を発し、近づいてくる洸の姿が目に入る。
「お帰り。」
「帰ってきたの?」
「ああ、もう家に帰っていいって言われたよ。
これからは毎日洸と遊べるぞ。」
「やったー!」
洸は城野に抱きあげてもらいながら嬉しそうに話をしている。
そんな城野がいて、洸がいることが私にとってかけがえのないものであり、幸せなことなのだと感じる。
そして、門を開け中に入った私は、城野を見て伝えたかった言葉を口にする。
「おかえりなさい。」
と。


+おわり♪+





何とか第1部完結です。
とりあえずはハッピーエンドですが、これから2人にはもう少し試練が待ちうけております(汗)
それは、この2人にとって必要なものなのかなぁと思い考えていたものなので、時間をおいて書きたいな、と。
皆様、第1部お付き合いありがとうございました。
そして、第2部もお付き合いよろしくお願いします。

マチ拝





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