寝坊は朝の日課

寝坊は朝の日課

うー、今日も暑いなぁ。



はー、講義サボっちゃおうかなぁ。でもなぁ、今日の講義は出席しとかないとやばいしなぁ。





目覚ましの音で起きる予定時間を知らせられながらも、ベッドの中でうだうだとやってしまうのは私の悪い癖。



分かってはいるけれどやめられない。



そして、もう少ししたらお決まりのようにあいつはやってくる。



ほら、もう足音が聞こえてきた。



「ひー、時間だぞ。毎日毎日目覚ましを役立たせないというのはどうかと思うぞ」



ドアを勢いよく開けたあいつは口うるさく言いながら、布団の中に防波堤として潜り込んでいる私に向ってきているようで、気配がだんだん近づいてくる。





もう、うるさーい!





自分が起きれていないという事実は棚上げし、近づいているあいつに対して心の中で悪態をつく。



でも、そんな私の考えなどお見通しだったらしく、



「…今うるさい奴と思ってるだろ」



至近距離からあいつは囁いてくる。



しかも、私が大好きな声で。



だから、私の身体はゾクゾクッと反応してしまう。



そして、そんな私の反応を感じ取ったあいつは、クスッと笑って布団をはぎとり露わになった私の身体を抱きよせベッドから上半身を引き離してしまう。



私はギュッと目を閉じあいつの顔を見ない。



「ひー、おはよう」



大好きな自信にあふれた男らしい声、低すぎず高すぎず、そして、優しく耳に心地よい声。



そして、ゆっくりと私の唇を塞ぐために、口は声を発することを止めてしまう。



「…おはよう」



唇から温もりが離れ、ぶっきらぼうに私は朝の挨拶をする。







毎日の日課。



それは、わざと寝坊して大好きなまぁーくんに起こしてもらうための行動。



だって、大学生の私は、一緒に暮らしていても遅くに帰ってくるまぁーくんと顔をあわせないことがある。



だから、わざと寝坊する。



まぁーくんに起こしてもらうために。



友人からは姉御と呼ばれている私なのに、まぁーくんには甘えきっている。



でも、意地っ張りさは出してしまうわけで、朝の挨拶は毎日ぶっきらぼうになってしまう。



だけど、仕事が立て込んで一緒に過ごす時間がいつも以上に減っているときには淋しくて、



「まぁーくん」



「ん?」



「大好きだよ」



ベッドの上で抱きしめられたまま、まぁーくんの首筋に顔を埋めたまま呟いてみる。



「知ってる」



クスクスッと笑いながらまぁーくんは囁くと、今度は深く甘いキスを私の唇に降らせる。







まぁーくんに出会うまでは知らなかった愛おしい時間。



だから私は、寝坊することをやめられない。


2009.9.27