恋せよ乙女

お正月企画(恋せよ乙女番外編)

 「中野さん着物似合ってる?」

「馬子にも衣装だな。」

「もー、似合ってると思ってるなら素直に言えばいいのに。」

「俺は素直な感想を言ったんだけどな。」

「全然素直じゃないよ。」

「いいから行くぞ。早くしないと置いてくぞ。」

「えー、待ってー。」







めでたくお付き合いを始めた私と中野さんは初詣に来ている。

まー私が行きたいって言って無理やり誘ったんだけど。

だって、中野さんそうでもしないと出かけたがらないから。

せっかくの冬休み、2人で仲良く出かけたいじゃない?

いつも生徒会の仕事で放課後デートすることができない私達。

じゃー休みの日にと思うんだけど、中野さんは何だかんだと言って家からでないので、必然的に家の中で過ごすことが多くなってしまう。

熟年夫婦じゃないんだから。と思ったりもするんだよね。







「何お願いしたんだ?」

「内緒、お願い事人に教えたら叶わないっていうもん。」

「迷信だろ?」

「でも、話して願い事叶わなかったら嫌だから教えません。」





私達は大勢の人の列に紛れてなんとか賽銭箱の前に着き、お賽銭を入れて鈴を鳴らし、願い事をした。

私はもちろん、

『中野さんといっぱいデートして、これからも仲良くいたいです。』

というお願い事をした。

神様、奮発して100円もお賽銭に使ったんだから、私のお願い叶えてねっ!





お参りが終わった私達は、再び人の列に飲まれていったんだけど、歩いていくとおみくじが目に入った。

「中野さんおみくじ引こうよ。」

「おみくじは興味がない。」

「まーまー、そんなこと言わずに。

 お正月はおみくじでしょ。引こうよ?。」

私がおねだりすると、仕方ないという顔をしながらも、中野さんはおみくじを引くのに付き合ってくれた。





「やーっ!凶っ!!」

「大吉だ。」

「何で中野さん大吉なの、ずるいー。」

「日頃の行いだろ。」

「うー、1年の始まりが凶だなんて悲しすぎる。」

私はおみくじを見ながら落ち込んでいると、そのおみくじを中野さんが掴み、自分の大吉のおみくじと重ねて折り曲げ、枝に結びつけた。

「大吉と凶を重ねて結べば中吉くらいになるだろ。」

そう言って私の所に戻ってきた。

「いいの?折角の大吉なのに。」

「誰かさんが泣いてるみたいだからな。」

「泣いてませんっ!」

「そうか?涙目になってるぞ。」

中野さんはそう言って私の頬を軽くつまむと楽しそうに笑った。

「ほら、折角2人で出かけてるんだから笑ってろ。

 その方が少しは可愛く見えるんだから。」

そういった後中野さんは私の手を握り歩き出した。





私は中野さんに手を握られたまま一緒に歩いているとあることに気づいてしまった。

それは、中野さんの耳が赤くなっていること。







照れてるんだ、可愛い。







私はくすっと笑った後、

「中野さん大好きっ!」

と、中野さんの耳元でささやくと、中野さんの耳はますます赤くなっていった。





神様にお願いしたこと叶ったかな?

でも、今年は始まったばかりだからまだまだこれからだよね。

よろしくね神様。

2007.1.11