となりにいる人

お正月企画(となりにいる人番外編)

「修ちゃん早く行こうよ。」

「俺は準備出来てたのに深雪が遅かったんだろ。」

「だって、着物に時間かかっちゃったんだもん。」

「まー似合ってるから許してやるよ、よし行くか。」



修ちゃんは私にそう言うと私の手を握り玄関から一緒に出た。





似合ってるって言ってくれた修ちゃん。

誰に言われるよりうれしいな。





私達はお正月ということで初詣に向かっている。

今日は珍しく両親’Sの邪魔は入らずに出かけられている。

それもそのはず、お酒をずっと飲んでいるパパ達は酔っ払っていて、私と修ちゃんが出かけたのに気づいてないみたいだったから。

お酒もほどほどにしてほしいんだけどね。









「人いっぱいだねぇ。」





近所に着くと人がいっぱいですごいことになっていた。

こんなに人がこの町にいたんだ、と感心してしまうほどだった。

「深雪はぐれるなよ。」

「わかった。」

そう言って私は修ちゃんの手をはぐれないように強く握り直したんだけど、

人ごみにいつのまにか修ちゃんの手が離れてしまい、

「修ちゃんっ!」

と叫んではみたけれどいつのまにか修ちゃんは私の視界から姿を消してしまった。







どうしよぉ。修ちゃんとはぐれちゃったよぉ。





そう思い涙目になりながら人ごみから何とか抜け出して道の端に立っていると、

「どうしたの1人で、誰かとはぐれちゃった?」

と、2人の男の人が話しかけてきた。

「はいそうなんです。」

私は素直に答えると、

「じゃ俺達と一緒に初詣しようよ。」

と馴れ馴れしく私に触ってきた。





修ちゃーん、助けてー!!





男の人達に触られるのが嫌で修ちゃんのことを心の中で呼びながらぎゅっと目を閉じていると、

「人のものに勝手に触らないでくれる?」

と頭の上から声が聞こえたかと思うと、引き寄せられて修ちゃんの腕の中にスッポリと納まってしまっていた。

「あー、彼いたんだね、じゃ。」

男の人達は怯えたような声を出しそう言って私達の前から姿を消した。

修ちゃんの腕の中に納まっていた私は男の人達の表情は見れなかった。





「何やってんだ深雪は。」

「ごめんなさい。」

「まったく、これだから目離せないよ。」

「うう、ご迷惑おかけします。」

修ちゃんはちょっと怒ったような声で言っている。





せっかく初詣に来たのに怒らせちゃったよぉ。





修ちゃんを怒らせてしまったと落ち込んでいると、

「深雪、俺は怒ってるんじゃないからな、心配してるんだ。」

「え?怒ってるんじゃないの?」

「ちょっと目を離した隙に男に声かけられて。」

「隙にって。」

「深雪は黙って俺のそばにいればいいんだよ。だからもうはぐれるなよ。」

修ちゃんは私を抱きしめていた腕の力を強めながら言った。





「うん、わかった。もうはぐれないようにするね。」

私はそう言って修ちゃんに自分からも抱きついた。







「さて、往来で何時までも抱き合ってるのもな、そろそろ初詣の続きだな。」

と修ちゃんがそう言って私をゆっくり離した。



そうだった!ここ神社だったよ!!



私は人ごみの中修ちゃんと抱き合っていたことを急に自覚してしまい恥ずかしくなって、一人で歩き出した。

「こら、一人で歩いたらまたはぐれるだろ。」

修ちゃんはそう言って私の手を繋いだ。

「続きは家に帰ってからだな。」

修ちゃんは私の耳元でそうささやくと、ニヤッとあのいつもの笑顔を見せた。





なんでその笑顔なんですかっ!

うう、帰るのが怖くなってきたよぉ。





そう思いながらもこの後しっかり初詣を満喫していた私でした。

もちろん帰ってからしっかり続きを修ちゃんに続行されちゃったけどね。

2007.1.4