嫌い嫌いも好きのうち

嫌い嫌いも好きのうち番外編

 今日はクリスマスイブ。

克巳と朝から一緒に過ごしている。

克巳と付き合いだして、半同棲状態でお互いの家を行ったり来たりしているから、特別な感じにはならないかな?なんて思っていたりしたけど、やっぱりクリスマスというのは特別な日なのか、2人で朝からいちゃいちゃしていたりする。

私は克巳と付き合う前の彼とはこんなに甘い空気になることはなかったように思う。

もちろん、恋人同士の甘い空気にはなったことあるんだけど、それとは違う空気が克巳といると流れる気がする。

それは、私が克巳には甘えることが出来るからかもしれない。

今までの彼には素直に甘えることが出来なかった。

でも、克巳には素直に甘えることが出来る。

それは何故かははっきり分からない。

でも、もしかすると克巳は私を甘えさせるのが上手なのかな?

そうでないと私の性格からしてこんなに素直に甘えるなんてことは出来ないはずだから。

だから克巳といると今まで知らなかった自分に出会う時がある。

そんな自分は嫌いじゃない。

そう思えるのは克巳のお蔭かな。





私達は朝からベッドの上で過ごし、軽い食事を取った後はいちゃついている。

それもクリスマスだから?





克巳の居心地のいい腕の中で過ごしていると電話が鳴った。

電話の相手は倖。

話を聞くとまた佐藤さんとケンカをしたらしい。

この2人はケンカばかりしているけど、何だかんだで仲がいい。

だから心配はないと思うけど・・・。





「佐藤さんが来なかったら家に来る?それで一緒にクリスマスしようよ。」

私はそう言って倖を誘った。

すると、今までとなりで大人しく様子を見ていた克巳が私の手から受話器を奪い取ってしまった。

「ちょっ、なっ!」

驚いた私は言葉にならない声を上げると、すでに克巳は倖に話しかけていた。

「今井、今奈々枝は立て込んでいるから今日は遠慮してくれるか?」

と、言っている。

私は克巳の言葉に驚きながらも克巳から受話器を奪い取り、再び倖に話しかけた。

「気にしないでいいからっ!1人でいるのが嫌だったら来ていいんだからね。」

倖に話しかけている私を見ながら克巳は言った。

「へー、俺と2人で過ごしたくないというんだな奈々枝は。」

「そんなこと言ってないじゃない!」

私は克巳に向かって言うと、

「大丈夫だから。直喜から連絡あるだろうし。じゃ、2人仲良くね。」

と言って倖は電話を切ってしまった。





倖?。

私は急いで倖に電話をかけなおそうとすると、克巳は私の手を取り、

「直喜が今井のことをほっとくわけがないだろ。あいつらはあいつらで仲良くやるよ。」

そう言って、私に電話をかけさせてはくれない。

確かにそうだと思う。佐藤さんが倖のことをほっとくわけはないと思う。

でも、万が一ってことがあるし・・・。

克巳は私の考えが分かったのか、

「奈々枝、今日は誰と過ごしたいんだ?俺だろ?それなのに他の奴の事を

考えるのは許せないな。」

そう言って私の頬に触れながら優しい声で話しかけてくる。

そう、私は克巳と過ごしたい。

でも・・・。

「奈々枝、今井のことは心配ないよ。直喜が必ず今井の所に行くから、だから奈々枝は俺のことだけ考えてたらいいんだよ。」

克巳は私に克巳のことだけを考えさせてしまう甘い声で私を誘惑してくる。

「本当?」

「本当だ。だから奈々枝は俺に可愛がられてたらいいんだよ。ほら奈々枝も俺と2人きりがいいだろ?」

「うん。」

私は克巳の甘い誘惑に負けてしまい、克巳の腕の中に包まれた。

私はその日、克巳に可愛がられすぎて、身体が思うようにうごかせなくなってしまうけど、それは克巳がくれる甘い誘惑。

その誘惑に私は虜になっている。


2006.12.25