直喜と倖のクリスマス



明日はクリスマスイブ。

直樹と恋人同士として初めて迎えるクリスマス。

今日から、土日が連休になってるから直喜の家に行くことになってた

んだけど・・・。







「仕事?」

「そう、仕事。年末だから営業は忙しいんだよ。

依頼者が今日と明日でないと空いてないって言うから、仕事になりました。」

直喜と夕食を食べてから、直喜の家に行く予定になっていた私は、待ち

合わせの場所で直喜が来るのを待っていた。

その時携帯に電話がかかり、直喜からだと気づいて出ると、そんなことを

言われてしまった。

「じゃ、今日と明日は無理ってことね。」

私が少し怒った口調で返事をすると、

「無理じゃないから。ちょっと遅くなるだけで。

今日は遅くまでかかりそうだから無理だけど。」

直喜は珍しく申し訳なさそうに返事をした。

私は、直喜が仕事でそう言ってるなら仕方ないということは重々わかって

いる。

でも、今日は明日に備えて直喜と色々とクリスマスの準備をするつもりで

いた。

だから、こんな急なドタキャンはたとえ仕事だからと言っても、感情が

ついてこない。

だから私の口から出た言葉は、

「思う存分仕事頑張って下さいなっ!」

という可愛げがない言葉で、自分がしゃべり終わった後すぐに電話を切り、

電源を切ってしまった。

そして、そんな行動をしてしまった自分を反省しつつも、再び直喜に連絡を

取ることは、性格上することができなかった。







「はー、暇だー。」

私は直喜と一方的な喧嘩をした後、自分の家に帰り勢いでクリスマスの

飾りつけをして、料理の下ごしらえまでしてしまった。

料理の下ごしらえしても直喜は仕事だから食べさせることはないのに、

初めてのクリスマスを過ごしたいと思っていた私は、作らずにはいられな

かった。

でも、すべて終わらせてしまった状態というのは、何もすることがないと

いうことで、ソファーに寝そべりながら、ボーとテレビを見るしかすること

がなかった。



あー暇だー。

本当だったら直喜と過ごしてたはずなのになぁ。

あんなこと言うんじゃなかったな。

そしたら直喜の仕事が終わったら一緒に過せたのに・・・。

直喜怒ってるんだろうなぁ。

あーもー、一人だと気が滅入っちゃうっ!



そう思った私は奈々枝に電話をかけていた。





「佐藤さんと過してるはずの人が何で私に電話してくるのかな?」

奈々枝はすぐに電話に出てくれたけど、私の痛いところをついてきた。

「直喜と過ごしてないしっ!」

「は?何で?」

「仕事だってっ!」

「そういうこと。

でも、仕事終わったら家に来るんでしょ?」

「来ないよきっと。

可愛くないこと言っちゃったし・・・。」

「そんなのいつものことでしょうが。

佐藤さんも倖の性格なんて分かってるわよ。」

「そうかな?」

「そうよ。

だから、落ち込みなさんな。

もし、まー無いとは思うけど、佐藤さんが来なかったら家に来る?

それで一緒にクリスマスしようよ。」

奈々枝がそう言ってくれて、奈々枝の優しさにジンっとしていると、



「ちょっ、なっ!」



と、奈々枝が意味不明な言葉を言って電話口から奈々枝の声が聞こえ

なくなってしまった。

どうしたんだろ?と思っていると、奈々枝とは違う声だけど、聞き覚えの

ある声が私に話しかけてきた。

「今井、今奈々枝は立て込んでるから今日は遠慮してくれるか?」

と、奈々枝の彼氏である神崎君がいつもの落ち着いた口調で言った。



あっ!そうだよね・・・。

奈々枝は神崎君と過ごしてるよね。



「ごめんねっ!2人の邪魔しちゃったね私。奈々枝にもごめんって

言っといて。」

そう言って電話を切ろうとした私に、奈々枝が神崎君から奪ったのだろう

電話口から、

「気にしないでいいからっ!1人でいるのが嫌だったら来ていいん

だからね。」

と、叫んでいる。

「へー、俺と2人で過ごしたくないというんだな奈々枝は。」

「そんなこと言ってないじゃない!」

電話口で雲行きが怪しくなってきた親友カップルに申し訳なくて、

「大丈夫だから。直樹から連絡あるだろうし。

じゃ、2人仲良くね。」

そう言って急いで電話を切った。





「失敗したなぁ〜。

そりゃクリスマスなんだから一緒にいるよねぇ。」



電話を切った後、独り言でそう言いながら2人のことを人ごとながら心配

していた。

「でも、すぐに仲直りするわよね。

奈々枝は私と違って天邪鬼じゃないし。

人様は楽しく過ごしてるっていうのに・・・。

よしっ!下ごしらえした分の料理を作って食べちゃうぞっ!!」

そう言って私は台所に行き、料理を始めた。







「結構おいしそうにできたじゃないの。」



料理をすべて作り終えて、とても1人では食べきれる量ではない料理を

テーブルにのせた後、一人満足そうにうなずきながらそう言った。

料理に集中していたら外はすっかり暗くなってしまっていた。

「さて、食べますかっ。」

そう言ってソファーに座り食べだした。

「おいしーっ!さすが私。」

そう言いながら食べていったけど、次第にそのペースは落ち、

「虚しい・・・。」

そう言って私は箸をテーブルに置いてしまった。



虚しすぎるでしょ私。

この料理だって直喜に食べてほしくて用意してたのに。

直樹と食べれないんだったら意味ないよ・・・。



そう思うと、鼻がツンッとして瞳に涙が溜まってきてしまう。



直喜が仕事なのは仕方ないことなんだから、仕事終わって会えばそれで

良かったのに・・・。

何時までも素直になれない自分の性格が邪魔をして、1人で泣くことに

なっているなんて、私らしすぎて涙が止まらないわよ。



そうやって自分の性格を恨めしく思っていると、



「また泣いてるのか?」



そう言って後ろから私をそっと抱きしめてくれる人がいた。

その声の主は顔を見なくてもわかる、今1番会いたかった人。

「直喜?」

「そうやって1人で泣くことになるんだから変な意地張るなよな。」

「だって・・・。

ていうか何時の間に来たのよっ!全然気づかなかったし何抱きついて

るのよっ!」

そう言って私は直喜の腕の中で暴れた。

直喜は小さくため息をつき私を自分の方に向かせ、

「こーら、暴れるな。

1人で淋しかったんだろ?だったら大人しく俺に抱かれてろ。」

そう言って再び私のことを抱きしめた。

私はうーっと唸りながらも直喜に大人しく抱きしめられていた。

そして、



「ごめんね。」



と、なけなしの素直な気持ちで小声で直喜に伝えた。

そんな私の言葉に直喜はニヤッと笑いながら、

「倖の為に頑張って仕事終わらせてきたんだからな俺は。

だから労わってもらわないとな。」

「労わる?」

「そう。とりあえずは一緒に風呂に入って身体を洗ってもらおうか。」

「はい?何でそうなるのよっ!」

「寒空の中急いで帰ってきた俺を風呂で温まってもらおうとは

思わないのか?」

「1人で入ればいいじゃないのっ!それに、私もう入ったしっ。」

「ふーん、倖は疲れて帰ってきた俺を労わってもくれなんだ。

いいけどな、そうか労わってくれないんだ。」

「誰も労わらないとは言ってないじゃない。」

「でも、嫌なんだろ?はー、倖は冷たいよな。」

「誰が冷たいのよっ!

お風呂ぐらい一緒に入って洗ってあげるわよっ!」

「そうこなくちゃな。じゃ、入るぞ。」

直喜はそう言って楽しそうにお風呂場へ私の手を引きながら向かった。



またですよ私っ!

いつまでこの手に引っかかればいいのよっ!



直喜に手を引かれながら自分の性格を恨めしく思っていた。







「ちょっ!洗う・・・っはぁ」

「ん?洗ってるだろ?倖こんなに濡らしてるんだからきれいにしないとな」

「んっ、あはぁん。ぬれてぇ・・・直喜がさわる・・・からぁ!」





私は、お風呂に一緒に入ることになり、恥ずかしくてバスタオルに自分の

身体を包んだまま直喜の髪とか洗ったりしていた。

髪が洗い終わって身体を洗おうとしている私にお湯をかけてきて、

「倖、バスタオルが身体に張り付いて、胸の先が尖ってるのが見えるぞ。」

そう言って私の胸の突起をいじり始めたかと思うと、秘部に指を滑らせ、

刺激してくる。

その刺激に私の身体は敏感に反応してしまい、喘ぎ声が出てしまう。

お風呂場ということで、自分の声が反響して聞こえるのが恥ずかしくて

仕方なかったが、直喜の愛撫に私の身体は反応してしまう。

「ほら、こんなに濡れてきてるぞ。」

直喜はそう言って私の秘部に指を埋め込んできて、私が感じる場所を

攻めてくる。

くちゅくちゅ、とお風呂場に響く音を直喜の指は鳴らし、私の口からは、

喘ぎ声しか出なくなってしまった。



「なお・・・っ、それやぁ・・・」

「ん?気持ちいいのか?」

「そぉんなぁ・・・ことぉ・・・・!」

「素直が1番だぞ倖。素直に言わないとこのままだぞ。」

「っ、はぁん・・・もっとぉ・・」

私は快感で頭の中がおかしくなってしまい、もっと感じたくて腰が自然に

動かし直喜を求めてしまう。

そんな私を見て直喜はニヤッと笑ったかと思うと、

「倖、壁に手をついて。」

直喜はそう言って私の身体を立たせ、私を後ろ向きにさせた後、私の中に

侵入してきた。



「あああぁんっ!はぁっ」

「んっ!倖、そんな締め付けるなよ。」

「そぉん、・・・はぁぁんっ」

直喜が私の中で存在を主張するように激しく出入りをしている。

そして、直喜にどんどん高みに追い上げられ、頭の中に霞がかかってきた

かと思うと、私の口からは、

「いっ、・・・いっちゃ・・・うよぉ!」

と言う言葉が出ると直喜も、

「お・・れもっ!」

そう言って私達は同時に達して、倒れこもうとしている私の身体を直喜が

抱きしめてくれた。







部屋に戻った後、もう1度ベッドの上で愛し合った。

その後、テーブルの上で冷めてしまっている料理を温め直して一緒に

食事をしている。

1人で食べていた時は、独り言で言っていたほどおいしいと思えなかった

料理が、直喜と一緒に食べていることでおいしく感じるのは不思議だ。

「うまいな。良かったよ、この料理が食べれて。」

「そう?」

「倖のこともおいしく頂いたしな。まーあれぐらいじゃ足りないから、この

後またおいしく頂くけどな。」

「はー?何言ってんのよっ!」

直喜の言葉に顔を真っ赤にしていると、

「倖、言うのが遅くなったけど、メリークリスマス。」

と、直喜がそう言って小さい箱を私の目の前に置いた。

「何?」

「開けてみれば?」

直喜にそう言われて箱を開けると、そこにはプラチナの指輪が入っていた。

それは小さなピンクトルマリンが埋め込まれていたかわいい指輪だった。

「倖に似合うと思ったんだよ。」

そう言って直喜は照れくさそうな顔をしながら、横を向いている。

私はうれしくて、笑顔で、

「どこにしたらいいかな。」

そう言った。

「倖の好きな指でいいんじゃないか?」

と、直喜は返事をしてくれた。

私は左の薬指にしたかったけどサイズが合わなくて、右手の薬指に指輪を

はめた。

残念そうな顔をした私に直喜は、

「そのうちな。」

そう言って、優しく私の唇にキスをした。

そんな直喜に私は笑顔で

「メリークリスマス。」

と一緒に過ごせる喜びを込めて言った。



+おわり♪+






やっぱりケンカしている2人ですが、すぐに仲直り(笑)
神崎と奈々枝には友情出演ということで、ちょこっと話の途中で
登場させてみましたが如何だったでしょうか?
直喜と倖らしい話になったかなと勝手に思ってます。
これからもこの2人はケンカしながらも仲良くやっていくんでしょう(笑)





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