いろんなところにキス7題


5.手の甲にキス


私の横で穏やかな寝息をさせながら寝ているのは、付き合いだして1年が過ぎた彼氏。
付き合いだした本当のきっかけは人様に話せる内容ではないけれど、どうしてあんなことをしてしまったのかと後悔をしたままでは掴むことが出来なかった今の幸せ。
克己とはお互いの家を行ったり来たり。
私の仕事が不規則なせいだけど。
休みがあまりないように思われがちな私の仕事は意外と定期的な休みが取れるけれど土日祝日の休みは多くはない。
既婚者が希望をとることが多いこともあり、仕事をしていることの方が多いので、休みがある時にはラッキー、どうしても休みが欲しい時には希望を取るような感じになる。
そんな理由もあり、余計に平日に会う方が多くなったりするわけで、そうしている内に半同棲状態になってしまっていた。
一緒にいることが苦痛ではない人、お互いが話をしなくても、違うことをしていても、同じ空間にいるだけで少し視線があった時に微笑むことが出来る人。
そして、お互いの肌を重ねた時に温かさと快感というものをくれる人。
今まで誰とも付き合ったことがないわけじゃないけれど、克己に感じたようなものをすべて感じることが出来た人には出会ったことがない。
そうそう出会えるものではないのだと同僚に言われた。
確かにそうかもしれないな、なんてことをこうやって寝顔を見るたびに思っているのは克己には内緒。
だって、前に寝顔を見られるのはあまり好きじゃないって言ってたから、寝顔を見ながらそんなこと思ってるんだよなんてことは、私の趣味にもなったこの時間を奪われてしまうから。
いつもは格好良くてどこか澄まして私を手の上で転がしているようにみせる克己を私の腕の中に閉じ込めることが出来る時間を大切にしたい。

乙女だなぁ、ふふ、鼻ピクピクさせてる。可愛い。
でも、可愛いなんて言ったらムッとするんだろうなぁ。

クスクスと小さく笑いながら私の方を向いて眠っている克己の寝顔を見つめていると、眠っているはずの克己の腕が私の身体を引き寄せ、
「何笑ってるんだ?」
耳元で囁きかけてくる。
耳の奥をくすぐる低音で少しかすれたセクシーな声、私がこの声を耳元で言われるのが苦手だというのを知っていながらするということは、
「起きてたの?」
「そばで声が聞こえれば誰でも起きるだろ。」
「もう少し寝てたらいいのに。」
「よく言うよ、起こす気があったとしか思えないのに。」
「そんなことないよ。
だから、もう1度寝て?」
「無理だよ、それに、何でそんなに寝たがらせるんだ?」
「それはナイショです。」
「何がナイショ何だか。
奈々枝が俺を寝かせたい理由を分からないと思ってるのか?
だから、奈々枝の意見は却下。」
「えー、私の楽しみ取るなー。」
腕の中に閉じ込められたままの状態で話していたけれど、抗議の言葉だけではなく身体でも表現するために胸元を押してみる。
でも、そんな行動も甘えているんだとは自覚済み。
寝顔の克己を見るのもいいけれど、やっぱり起きている克己と話してかまわれているのが楽しいから。
「駄目なものは駄目。」
「いいもんね、克己がそんな態度なら私の好きにしちゃうし。」
「どうぞ?」
涼しげな顔で言う克己にムムッと顔の表情を引き締め、いつまでもそんな表情はさせないぞと、顔にキスをした後、胸をゆっくりとはだけさせ、胸元にキスマークの花を咲かせる。
時折ピクッと身体が動いているけれど、頻繁に動くわけでもなく、上目使いに見る克己の表情に大きな変化は見られない。
負けるもんかと積極的に手を胸元に這わせたりとあの手この手を使う。
「参りました。」
両手を上げながら降参と言うけれど、本当にそう思っているとは思えず、無視して動きを止めないでいると、
「奈々枝、これ以上俺を煽ってどうするつもりだ?」
胸元にある私の手を口元に持っていき、手の甲に口づけを落とす。
熱を帯びた唇が私の手から媚薬を流し込むようなキス。
「克己こそ、私を煽るつもりのくせに。」
少しかすれ気味になる声を吐息と共に漏らすと、克己の瞳が私の変化を感じとっているのだと知らせてくる。
「当然だろ?先に仕掛けてきたのは奈々枝なんだから、このまま眠るなんてもったいなさ過ぎだろ。」
再び手の甲にキスをした後腕を引き寄せキスを仕掛けてくる。
ついばむようなキスに答え、首に腕をからめて深いキスを求めると、今度は克己が私に答えてくれる。
ゆっくりと離れる唇にはお互いの熱くなった息がふれてきて、身体の熱を高めている気さえしながら直に肌を確かめあうべく、ボタンを外し着てるものを身体から脱がせ合う。
「んっ。」
先に胸を包むように掴まれ、柔らかく指を動かされると漏れる声。
すでに知られている性感帯に躊躇することなく触れてくる手に、次第に大きくなる声。
器用に身体の上を動く手と、おとされるキス、どちらの動きにも声を抑えることができなくなりながらも、抵抗をするために手で口元を押さえる。
「俺の楽しみを奪わせないよ。」
意地悪く囁く克己の声は、私の手を口元から外し声を上げさせてしまう。
「はぁあ・・・・、んんっ」
「我慢することないだろ?
ほら、ここはこんなに濡れてる。
もっと、もっとって言ってるみたいだ。」
「ふぁぁ、ああっ!」
秘部に侵入を始めた指が、奥まで入り込み壁に触れ探りを入れて腰を浮かせる手伝いをさせ、もっと感じさせてほしいと求めたくなってしまう。
そんな想いをもう隠そうとは思えないほど克己を欲している私の身体は、熱を帯びこのままの状態にされたままではたまらないのだと訴える。
分かっていると言わんばかりに動きを早め濡れた音を響かせだすと、抑えが聞かなくなった声が限界だと高い声を発して克己に知らせる。
分かっているくせに、まだ欲しいものをくれようとはしない克己に、いきり立っている物にじかに触れ、催促するように手を動かすと私の手を濡らすものが私と同じ気持ちなのだと知らせてくれて、出口を指の腹で擦りつけると、かさが増すのを感じさせた。
「そんなにこれがほしい?」
「んっ!・・・ほしい、の。
ねぇ、克己もだよ・・・ね?」
「そうだ、俺もだよ。」
「あああっ!」
熱い吐息を私の耳に吹きかけながら奥深く埋め込められたものが存在を主張する。
動き出すおたがいの腰、荒くなってくる息が感じているのだと、快感を共有しているのだと知らせ、身体だけでなく気持ちさえも満足させていき、喘ぎ声と共に動きを次第に早めながらもやがかかったように頭を白くさせるほどの快感の出口まで導き、身体を抱きしめ合い、快感に酔いしれる。




整わない呼吸、汗ばんだ身体、それでも充足感が私達を包んでいる。
「起きてる克己が一番いいかな。」
克己の胸に頬ずりをしながら自然に口から出た言葉。
寝顔の克己も好きだけど、見つめ合うことが出来る起きている時間の方が嬉しい気持ちにさせてくれるのだと改めて思える。
「だったら、これからは寝顔は見ないように。」
「でも、寝顔も好きだから却下。」
「俺も奈々枝の寝顔を見てるんだからおあいこか。」
「何それ?」
「恋人の寝顔が好きなのは奈々枝だけじゃないってことだよ。」





どこまでも似たものカップルの私達。
幸せな時間はいつまでも続いていく。

+おわり♪+


克己×奈々枝カップルでございます。
「嫌い嫌いも好きのうち」の番外編として書いた2人の話なのですが、今回のアンケートでは主役2人ではなく、この2人へのコメントをいただいたということもあり、久しぶりに書いてみました。
主役2人と違い、天の邪鬼なところがない奈々枝ですので、気がつけばかなりのらぶらぶっぷりとなってしまいました(笑)
「嫌い嫌いも好きのうち」に票を入れてくださってありがとうございました。





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